新型コロナ感染者数が減少、果たして何が効いたのか?

緊急事態宣言下でも東京・渋谷のスクランブル交差点には人々が行き交う

「12月に1万人超」「第6波の山は低い」…見通し分かれる

 新型コロナウイルスの新規感染者数が減り続けている。「五輪で気が緩む」「人出が減らない」「デルタ株でワクチンの効果が減少する」など懸念材料が山積し、9月には感染者が激増するという試算もあったが、現状は真逆の結果だ。果たして何が効いたのか。

 東京都の14日の新規感染者は1004人で、前週の同じ曜日を23日連続で下回った。8月13日の5773人から約1カ月で5分の1以下の水準となった。緊急事態宣言が延長された他の道府県も8月下旬以降、減少傾向をたどっている。

 感染第5波については「ピークがみえない」という声が多かった。東京五輪・パラリンピックは無観客で開催されたが「気の緩みを招く」と悪者にされた。

 都のモニタリング会議では、都内の繁華街の滞留人口がお盆明けの8月22~28日に昼間・夜間ともに増加したと警告されていた。また、感染力の強いデルタ株により感染予防効果が低減するとの見方もあった。

 こうした多くの予想を裏切って感染者が減ったのは結構なことだが、理由が分からないままでは、今後の感染対策に生かせない。

 減少の原因として考えられるのがワクチンの効果だ。少なくとも1回接種した人の割合が全人口の5割を超えたのが8月中旬だった。

ワクチン普及、外出控えが奏効?

 東北大災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は「ワクチン1回接種であっても60~70%の感染予防効果があり、感染を減らしたと考えられる」と話す。

 これに対して日本医科大の北村義浩特任教授(感染症学)は「接種率はまだ十分高いとはいえず、接種が滞る世代や地域もある中で、全体的な感染者数に影響したとは思えない」と話す。

 北村氏は「8月中に医療逼迫(ひっぱく)のアナウンスが増えたり、天候不順で外出を控えたことも影響しているのではないか。遊びに出た人もマスク着用など感染対策を守っていたことも考えられる」との見方を示す。

 もうリバウンドはないのか。前出の児玉氏は「このまま接種率が70%を超えれば、第6波の山は他国と比べても低くなり、医療崩壊を免れる可能性もあるのではないか」とみる。

 一方、東京大の仲田泰祐准教授らは、ワクチンの2回接種率が11月末までに75%となるペースで進んだとしても、9月末で緊急事態宣言を解除後2カ月以内で東京の新規感染者数は1日平均5000人を超え、12月には1万人を超えると試算した。

 仲田氏は直近3~4週間の減少傾向の一因として、人流が増加傾向にありながらも医療体制や医療逼迫を考慮して人々がリスク回避行動をとったことを挙げ、今後の動向は、人々の危機意識次第だとした。

 安心するのはまだ早いということか。

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