【ギモン解消!!ワクチン接種Q&A】シンガポールでは「金融関係者」のワクチン接種優先

ドイツは医療関係者と高齢者を優先

 日本は医療従事者と高齢者の接種を優先させたが、首長らの「優先接種」も一時、問題になった。海外でも国の文化的背景によって優先順位が異なるほか、トラブルも発生したという。独ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員で医師の村中璃子氏に聞いた。

 --滞在中のドイツの接種体制は

 「州ごとに異なりますが、ドイツ全体としてはまず医療関係者と高齢者に、続いて(社会的に不可欠な仕事に従事する)エッセンシャルワーカーに、6月初めには優先接種枠を取り払ってよいとの方針が示されました。ハンブルク州の市長は医師ですが、厳密に優先順位を決め、自身は『現場にはいないので優先権はない』との姿勢を示し、6月末にようやく接種を終えました」

 --トラブルもあった?

 「一時は、眼科や皮膚科などコロナに関係のない開業医でも接種できるようになりました。しかし、余ったワクチンを優先外の人に接種したり、基礎疾患があるように見せかける診断書を書いてセンターでの接種ができるようにしたりと裏口や二重予約が横行し、ワクチンの廃棄も増えたことから、センターでの接種を主軸に戻した経緯があります」

 --国によって優先順位に違いも

 「シンガポールでは金融マンが国を支えているため、経済再開を見据えて医療従事者・高齢者の次に金融関係者にワクチンが割り当てられました。所帯持ちで住宅ローンを抱えている世代への接種を優先する国もあります」 

■村中璃子(むらなか・りこ) 医師、ジャーナリスト。京都大学医学研究科非常勤講師、ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局で鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ対策に携わった。科学誌「ネイチャー」ほか主催のジョン・マドックス賞受賞。近著に『新型コロナから見えた日本の弱点 国防としての感染症』(光文社新書)。

つづく

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