【ギモン解消!!ワクチン接種Q&A】接種先進国が「感染再拡大」する理由

新型コロナウイルス感染拡大に伴う規制が大幅緩和されたロンドン中心部。感染予防のアクリル板も設置されている=今年5月

村中璃子氏「ワクチンの“アキレス腱”と呼ばれる変異株の影響」

 国内のワクチン接種が進む中、東京都には4回目の緊急事態宣言が発令された。イスラエルや英国など接種が先行した国でも再拡大の兆候があるが、何が起きているのか。独ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員で医師の村中璃子氏に各国の現状を聞いた。

 --英国では少なくとも、1回接種を終えた人は6割、2回接種は5割を超えていますが、接種先進国でも感染が再拡大している理由は

 「ワクチンの“アキレス腱(けん)”と呼ばれる変異株の影響です。特に感染力の強いデルタ株には1回接種では十分な感染予防効果が得られません。一方で、ファイザー製を2回接種した際の重症化予防効果は、従来株とほぼ同等の96%で、重症者や死亡者の増加はそれなりに抑えられています」

 --感染者の特徴は

 「若い世代に増えています。ドイツでは高齢者からレストランで食事を楽しむ光景が見られ、英国でも高齢者から夏の旅行に予約が入るなど優先的に接種を受けた人から行動が自由になっていきました。その結果、行動制限を受け接種が最後になった若い世代での相対リスクが逆に上がり、感染者も重症者も増えています」

 --日本の教訓は

 「接種率が低いため、医療崩壊を起こすような重症者数や死者数がいないからと言って容易に行動制限を解除できないことを肝に銘じるべきでしょう」

■村中璃子(むらなか・りこ) 医師、ジャーナリスト。京都大学医学研究科非常勤講師、ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局で鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ対策に携わった。科学誌「ネイチャー」ほか主催のジョン・マドックス賞受賞。近著に『新型コロナから見えた日本の弱点 国防としての感染症』(光文社新書)。

つづく

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