インフル流行する?コロナ感染者減もワクチンはどうする?

この冬のインフル拡大を予想する研究機関も

 新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、国内の感染者も減少が続いているが、これからの季節に流行が懸念されるのがインフルエンザウイルスだ。昨冬は感染者が激減していたが、この冬は流行拡大を予想する研究機関もある。コロナワクチンを打ったばかりの人は、インフルエンザワクチンはいつ打てばいいのか。

 20日の新型コロナウイルスの新規感染者は、東京都で41人まで減少した。国内でも391人と状況は大きく改善している。

 昨冬は新型コロナの感染者が急増する一方、インフルエンザの感染者はほとんど発生しないという現象がみられた。厚生労働省の統計では、今年2月1~7日のインフルエンザ感染者は全国でわずか98人だった。19年12月23~29日が約11万人、同年1月21~27日が約28万人、18年1月29日~2月4日が約26万人など例年のピークに比べても極めて少なかった。

 この冬のインフルエンザの流行はどうなるのか。日本感染症学会は、南半球のオーストラリアの患者数が昨年同様極めて少数で、北半球でも流行しないと考えられるとする一方、夏にはバングラデシュやインドで流行がみられたとし、「国境を越えた人の移動が再開されれば、世界中にウイルスが拡散される懸念がある」と警鐘を鳴らす。

 米ピッツバーグ大の研究では、昨冬のインフルエンザ感染が少なく、ウイルスへの免疫が低下したため、この冬は感染が増える可能性を示唆している。

村中璃子氏は「同時接種の検討」を提言

 独ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員で医師の村中璃子氏は、「引き続きコロナが流行する中、ウイルス同士の干渉により今年のインフルエンザの流行も緩やかに終わる可能性も十分にある。コロナ禍でワクチンの重要さが認識され、意識的に感染対策を続ける人も多い中、大流行は考えがたい」とみる。

 この冬のインフルエンザウイルスの流行はパンデミック(世界的大流行)傾向のあるA型ではなく、比較的症状の軽いB型の可能性もあると村中氏は指摘する。

 「インフルエンザワクチンはA型でもB型でも感染を予防しないため流行を防ぐことはできないが、コロナワクチンと同様、重症化を防ぐ効果が高い」(村中氏)

 コロナワクチンは年内にも3回目接種が始まる予定だが、インフルエンザワクチンの接種時期も迫る。

 村中氏は「コロナとは異なり、子供のインフルエンザは重症化のリスクが高く、ワクチンによる予防が非常に重要だ。ワクチンは一般にどんな種類をいくつ組み合わせて同時接種しても効果や副反応に大きな影響を与えない。米国ではすでにコロナと他の全てのワクチンの同時接種が認められ、コロナ禍で接種率の下がったワクチンのキャッチアップも進められている。日本も同時接種を検討するべきだ」と提言した。


■村中璃子(むらなか・りこ) 医師、ジャーナリスト。京都大学医学研究科非常勤講師、ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局で鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ対策に携わった。科学誌「ネイチャー」ほか主催のジョン・マドックス賞受賞。近著に『新型コロナから見えた日本の弱点 国防としての感染症』(光文社新書)。

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