英国・ドイツ・韓国でコロナ感染再拡大 検証「7つの仮説」

クリスマスマーケットでにぎわうドイツの都市オーバーハウゼン

専門家は「行動制限緩和、気候、抗体減少」などを指摘

 15日の国内の新型コロナウイルス感染者は79人、東京都では7人といずれも今年最少だった。これに対し、英国やドイツでは記録的な感染の波が発生、韓国などでも感染者や重症者が増えている。これらの国では一定程度ワクチン接種が進んでいるのになぜ再拡大しているのか。専門家の間などで議論される「7つの仮説」を検証した。

 国内は沖縄を含む29県が新規感染者ゼロ。再増加の兆しもあった東京に加え大阪府も8人と低水準に収まっている。

 対照的に感染の震源地となっているのが欧州だ。英国では10月下旬に今年で3番目に高い1日5万人の新規感染者が出た。BBC(日本語電子版)は「マスク着用の有無」や「行動制限緩和時期」が感染状況に影響しているなどの仮説を示したが、結論には至っていない。

 「ベルリンでは医療用高機能マスク『N95』クラスの着用が普通だ」とブルームバーグ(同)が報じたこともあるドイツだが、今や新規感染者数は1日5万人を突破し、過去最多水準だ。メルケル首相は「残念ながら、このウイルスの急激な感染拡大を防ぐには、われわれのワクチン接種率では不十分だ」と述べている。

 専門家の研究発表や分析、海外メディアの報道などを総合すると、感染が再拡大要因についての仮説は、(1)マスク着用者の減少や規制緩和による感染対策の緩み(2)ワクチン接種後の時間経過による抗体量の減少(3)接種率の失速(4)ワクチンの製造元の違い(5)変異デルタ株の蔓延(まんえん)(6)気候やウイルスの性質による流行周期説(7)子供接種の進行度-などに要約される。

 東北大災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は「やはり行動制限を緩和した影響が大きいのではないか。ワクチン接種前にも感染の波は起きており、大きな要因との見方には否定的だ」と語る。

 関西福祉大の勝田吉彰教授(渡航医学)は「欧州は日本に先行して気温と湿度が下がるため、第一に気候が要因として考えられる。その次に行動の自由化やワクチン効果の低下が影響しているのではないか」と分析する。

 韓国では感染者は15日時点で6日連続2000人以上、重症者は10日連続で400人台だった。12日時点でワクチンの2回接種率が約78%と高いが、若者への接種が遅れているとの見方もある。

「日本も再流行に備え、3回目接種を」

 児玉氏は「ワクチン接種から時間が経過したことで抗体価が低下したことも指摘されるが、抗体価は感染初期に関わるもので、重症化とはパラレル(並行的)ではない」として、別の要因があるとみる。

 日本は現状では感染者や重症者も圧倒的に少ない。ただ、勝田氏は「日本は気候条件が異なるほか、欧州よりワクチン接種の初動が遅れ、後になって加速したという経緯が感染状況に反映しているとも考えられる。日本も今後の流行に備え、高齢者には今年12月から来年1月にかけて3回目接種を検討するのが妥当だ」と強調した。

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