時短解除で始まる“飲食店サバイバル” 酒場でスイーツや総菜パンも販売

店の一角でスイーツを販売する「赤バルレッツェ」赤羽店=東京都北区

 新型コロナウイルスの感染者も減り、東京都や大阪府などの飲食店への営業時間短縮要請が解除されたが、サバイバルはむしろこれから厳しくなりそうだ。「宴会控え」の風向きは変わりそうになく、各店は販路拡大を目指し、新業態で勝負する店も増えている。

 「続けていてよかった」と心境を吐露するのは、イタリアンバル「赤バルレッツェ」の寄木(よりき)一真営業部長(44)。約1年ぶりに閉店時間を宣言解除後の午後9時から11時30分に戻し、通常営業となった赤羽店には、夫婦や母娘連れ、常連客らが店を訪れた。

 「いままでは飲食店がいじめられている感覚だった。解除でうれしい」と語るのは自営業の男性(54)。事務職の妻(54)は「(解除後)即、飲みに来た。いままで繁華街は避けていたが、来やすくなった安心感がある」と肴(さかな)に舌鼓を打つ。

 保育園経営の女性(58)は「久しぶりに赤羽に来た。(コロナ禍では)気持ちが暗かったし、長年働いてきた職員の『ご苦労さま会』もできなかった」と感慨深げにグラスを傾けた。

 同店では時短営業中にイタリア発祥のスイーツ「マリトッツォ」や総菜パンのテークアウト、百貨店での総菜販売などを充実させた。オフィス街に近い池袋店ではランチ営業の継続を検討する。

 前出の寄木氏は「以前のような集客にならないというのは周囲の同業者と考えが同じだ。自粛の間、四方八方に販路を見いだしてきたことで、コロナ以前の売り上げにチャレンジする」と語る。

から揚げ店併設や移動販売の導入も

 コロナ禍では、ほかの大手飲食店でもから揚げ店を併設したり、既存店の一部を焼き肉店に転換する例のほか、移動販売車の導入や家庭用の冷凍食品を充実させる取り組みが進んでいる。

 飲食店業界の現状について信用調査会社、東京経済情報部の森田幸典氏は、「上場企業は助成金の効果などで赤字幅が縮小したが、借入金は増大している。中小零細事業者は運転資金不足や借入金の返済時期の到来で廃業が相次ぐ懸念がある。自粛中に努力した事業者とそうでない事業者の間で差が開いており、これからが勝負になるだろう」と指摘する。

 衆院選でもコロナ禍で打撃を受けた事業者への支援策は争点の一つだ。森田氏は「新事業や業態転換、ITの導入を支援する基金を立ち上げるなどの方策が望ましい」と語った。

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