濃厚接触者がサッカー観戦…オミクロン対策どこまで必要か

サッカー天皇杯準決勝の川崎―大分戦を観戦する大勢のサポーター=12日、川崎市等々力陸上競技場

東京・大阪の市中感染“急増懸念”

 新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染確認が相次いでいる。東京都では米国から帰国した20代女性が感染し、濃厚接触者でサッカー天皇杯を観戦していた20代男性も感染の可能性が高い。関西空港検疫所の30代女性職員の感染も確認された。デルタ株に比べ気管支内での増殖速度が70倍近いという研究もあるオミクロン株は市中感染の懸念もあるが、感染対策をどこまで強化すればいいのか。

 20代女性は10日に医療機関を受診し、13日に陽性となり入院。16日にオミクロン株と判明した。

 20代男性は8、9日に女性と会い、15日に陽性となり入院。デルタ株ではないことが確認された。12日に川崎市等々力陸上競技場で天皇杯準決勝を観戦しており、都は周辺約80席にいた人や職場の同じフロアにいた100人以上にPCR検査を勧める。

 一方、コロナ陽性者の宿泊療養施設に勤務する関西空港検疫所の30代女性職員は8日に腹痛を発症。その後は目立った症状がなく出勤していたが、再び体調を崩して13日の検査で陽性となり、16日にオミクロン株と判明した。

政府の新型コロナ専門家組織が16日に開いた会合では、京都大の西浦博教授がオミクロン株について、南アフリカなどのデータを基に感染者の数が2倍になる日数を2日前後と試算。「これまでに類を見ない速度で増加している」と指摘する。

 東京の16日の新規感染者は30人、神奈川県は36人と低水準であるものの増加の兆しもあり、オミクロン株の市中感染が加われば年末にも急増する懸念もある。

「発症せず気づかぬまま広がる可能性」

 東北大災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は「感染力は今後の状況をみないと分からないが、ワクチン接種が進んでいることから、発症しないままウイルスが体内に入り、気づかずに市中感染が広がる可能性はある」と話す。

 香港大医学院は、オミクロン株の気管支内での増殖速度がデルタ株の70倍近くに達するとの研究結果を発表した。一方、肺の中では従来株の10分の1程度のため肺炎などの重症にはなりにくく、インフルエンザに近くなる可能性があるという。

 前出の児玉氏は「感染者や入院患者が多少増加に転じても、病床が逼迫(ひっぱく)しない限り、現状の対策を維持できるのではないか。いまできることは、水際対策を継続して感染のピークを遅らせ、医療機関が準備を進めることと、高齢者や重症化リスクの高い人への追加接種を迅速に実施することだろう」と指摘した。

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