オミクロン株出現で遠のく!? ハンドドライヤー解禁論争

使用停止の温風ジェット乾燥機

 新型コロナウイルスの感染が始まって以降、首都圏などの多くの施設で使用禁止が続いているのが、トイレの手洗い場などにある手指の乾燥機「ハンドドライヤー」だ。専門家やメーカー側は「感染リスクは小さい」と指摘するが、新変異株「オミクロン株」が流行すれば、本格的な再稼働はさらに遠のいてしまうのか。

 「もうそろそろいい加減普通に使っていいのではないでしょうか」。12日配信のヤフーニュース個人で、こう提言したのは、大阪大大学院教授の忽那(くつな)賢志教授(感染制御学)。ハンドドライヤーについて「手を洗った後に使用するものですので、基本的にきれいな手を乾燥させるために使用するもの」「そんなことを気にするよりはマスク着用と手洗いという基本的な感染対策を徹底することが重要」とした。

 ハンドドライヤーの使用をめぐっては、政府の新型コロナ専門家会議(当時)が昨年5月に停止を提言した。その後も都心のオフィスビルなどでは大半が使用禁止のままだ。

 不動産大手の森ビルでは、六本木ヒルズをはじめとする自社のオフィスビルで使用を再開していない。担当者は「厚生労働省や各保健所などから、(使用再開に関する)正式な発表がない」ことを理由としている。

 11月に大阪府松原市に開館した複合施設「セブンパーク天美」では全館のトイレでハンドドライヤーを設置しなかった。

 一方、イオンモールでは緊急事態宣言や蔓延(まんえん)防止等重点措置が解除された秋以降、各都道府県の状況を精査しながら利用を一部で再開しているという。「定期的に消毒清掃を実施し、感染防止対策を徹底している」(広報グループ)とする。

 東京都内の一部映画館も「入居施設の許可が取れた店舗に関しては順次使用を再開しつつある」(運営会社)という。

賛否分かれるも「手洗いで感染リスクはオフィスの数十分の一」

 メーカー側はどう対応しているのか。「ジェットタオル」の商標を持つ三菱電機は3月、飛沫(ひまつ)の挙動などを調査するシミュレーションを実施。「簡単な手洗いさえ実施していれば、トイレ内のうち相対的に飛沫の濃度が高い場所においても感染リスクはオフィスの数十分の一程度になる」などと結論づけた。

 「感染拡大防止のためには、正しい手洗いに加え、手の乾燥後に消毒することが重要と考えている。ぬれたままだとアルコール効果も薄れてしまう」と同社広報部。6月には設置空間の空気を循環清浄させ、飛沫を抑制する機能を備えた新製品も発売した。

 東京医療保健大の菅原えりさ教授(感染制御学)は「ハンドドライヤーの感染リスクは不明だが、手の水滴を周囲に飛散させる事実もあり、利用者の心理的抵抗も強い。実際にコロナ収束後に自然に再開する方が望ましいのではないか」との見解を示した。

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