コロナの「ファクターX」、理研が一部解明 オミクロン株に効果か

「ファクターX」の一部が見えてきた新型コロナウイルス(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 日本人の新型コロナ患者の重症者や死亡者が、欧米人に比べて非常に少ない理由として存在が指摘されてきた謎の要因「ファクターX」について、理化学研究所は「日本人に多い特定の免疫タイプが要因の一部だと解明した」と発表した。感染した細胞を免疫細胞の一つであるキラーT細胞が破壊する仕組みも判明。仕組みを応用すれば、新たな脅威となっている変異株「オミクロン株」にも有効なワクチンの開発につながりそうだとしている。

 新型コロナのウイルスが細胞に感染すると、免疫の作用で細胞の表面に、ウイルスが侵入したことを示す抗原となるペプチドという物質が表れる。これにキラーT細胞が刺激されて増殖し、感染細胞を破壊して重症化を防ぐ。免疫のタイプは多数あって表れるペプチドの種類が異なり、反応するキラーT細胞も異なる。反応しない場合もある。

 研究チームは、日本人の約6割が持っているが、欧米人は1~2割しか持たない「A24」という免疫タイプに着目。このタイプの細胞が新型コロナに感染した際、細胞表面にどのような種類のペプチドが表れ、それらにキラーT細胞が反応するか分析した。

 その結果、「QYI」というペプチドにキラーT細胞が効率的に反応することが判明。同じ免疫タイプで新型コロナ未感染の人の細胞を採取しQYIを投与すると、83・3%でキラーT細胞が反応し増殖した。これらから、日本人の新型コロナ感染者に重症者などが少ないファクターXは、この免疫タイプの多さが要因の一部だと結論づけた。

 この仕組みを利用しQYIをワクチンとして投与すれば、重症化を抑止できる可能性がある。また、既存のワクチンとは働きが異なるため、チームではオミクロン株にも有効ではないかとみている。理研の藤井真一郎チームリーダーは「これまでワクチンが効かなかった人の新たな治療法になる可能性もある。さらに研究を進めたい」と話した。

関連記事

  1. 【ギモン解消!!ワクチン接種Q&A】副作用、持病や常用薬の影響は…?

  2. 【ギモン解消!!ワクチン接種Q&A】ジャニーズも実施、中小企業には助成金 職域接種が本格化

  3. 【緊急事態解除後のコロナ対策】今冬のインフルワクチンはどうすればいいのか

  4. 【ギモン解消!!ワクチン接種Q&A】EU内移動、中露製の接種証明が通用しない国も

  5. 【ギモン解消!!ワクチン接種Q&A】ワクチン副反応の「モデルナ・アーム」は心配不要

  6. 【ギモン解消!!ワクチン接種Q&A】「ワクチンパスポート」14カ国・地域で有効も、米中で使える見通し…

  7. 日本語学校半数「1年以内で事業継続不可能」 オミクロン株が追い打ち

  8. ワクチン接種をスマホで証明 年内決定へ首相指示

  9. 国内コロナ死者1年3カ月ぶりゼロ ワクチンや治療薬要因か

logo logo

連載

PAGE TOP