ナゼ?知的な人や若者も信じてしまうコロナやワクチンめぐる「陰謀論」

東京・渋谷のワクチン接種センターにできた行列。ワクチンを早く打ちたいという若者も決して少なくはないが…=8月27日午前

発信元は専門知識ある愉快犯…善意で情報拡散も

 東京都の新型コロナウイルスの新規感染者が減少傾向をたどっている。13日の新規感染者数は611人となり、約2カ月ぶりに700人を下回った。ワクチンの2回接種者が人口の半数を超えた効果も出ているとみられるが、さらなる接種率向上が欠かせない。そこに影を落とすのがコロナやワクチンをめぐる「陰謀論」だ。

 政府の新型コロナ対策分科会は、ワクチン接種率が60代で90%、40~50代で80%、20~30代で75%まで進めば、マスク着用などの対策をすれば緊急事態宣言など強い措置が不要となる可能性があるとしている。

 ワクチンを打ちたくても予約が取れない人や、体質的に接種できない人もいるが、「陰謀論」や間違った情報を信じている人もいるようだ。

 電気通信大の石垣陽特任准教授(情報工学)と、同大の横川慎二教授(信頼性工学)らの研究チームが7月下旬、1500人を対象に実施したオンラインアンケートでは、新型コロナやワクチンに関する6つの陰謀論や、真偽が未確定の情報について聞いたところ、493人(32・9%)、各設問平均で7・4%の人が「正しいと思う」と答えたという。

 「新型コロナのパンデミックは実は存在せず幻想である」は67人(4・5%)、「ワクチン接種の目的は巨大利権の確保であり、本来は必要ない」が92人(6・1%)、「新型コロナ対策の真の目的は人口削減または監視社会である」が95人(6・3%)、「新型コロナの蔓延(まんえん)には、大富豪や世界的財閥などが関与している」が87人(5・8%)、「コロナワクチンにはマイクロチップが入っている」が27人(1・8%)、「新型コロナウイルスは某国が人為的につくった生物兵器が流出したものである」は297人(19・8%)だった。

 職業別では会社員・公務員や無職・定年退職者、アルバイト・パート、主婦・主夫、自営業、役員、士業、医療・福祉関係者、学生などさまざま。年齢別でも20代から80代と幅広かった。

 「最近はワクチンに関する陰謀論が目立っており、接種率向上の阻害要因になる」と石垣氏は危惧する。調査の過程では、ワクチンに放射性同位体や劇薬が含まれるとの主張や、単なる水を難解な専門用語風にして危険な物質のようにみせる例もあったという。

 石垣氏は「発信元はごく一部の専門知識のある人の愉快犯と考えられる。医療従事者や公務員など知的な人や若い人も信じやすく、善意で情報を拡散する傾向にある」と分析する。

 陰謀論から抜け出す糸口として石垣氏は「ネットで反対の意見がないか検索してみることが重要だ。友人や家族から、考えが偏りすぎだと指摘されて陰謀論を捨てた例もあるので、周囲に相談するのも一手だ」と提言した。

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