ファイザー、モデルナ、アストラ…承認ワクチン3製品 特徴と副反応は

新型コロナウイルスのワクチン接種が行われている東京都江戸川区の集団接種会場で使用された、米ファイザー製ワクチンのバイアル

 モデルナ製とアストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省の専門部会が20日、承認を了承した。先行使用されているファイザー製と同様に発症予防などに高い有効性が示されており、感染収束の切り札が補強される。一方で複数のワクチンが普及することによる流通面での混乱が懸念されるほか、副反応の問題を抱えるアストラゼネカ製の使用方法などが議論を呼ぶ可能性もある。

豊富な副反応データ

 2月に承認されたファイザー製は16歳以上が対象。メッセンジャーRNA(mRNA)という遺伝物質を投与し、細胞に新型コロナ特有のタンパク質を作らせ、免疫をつける。海外の治験では95%の発症予防効果が認められた。mRNAは壊れやすいのが弱点で、長期保管には零下75度前後の超低温冷凍庫の使用が求められる。保管ミスで廃棄するケースも出ている。

 3週間間隔で2回接種する必要があり、医療従事者約2万人分の調査では2回目の方が発熱や頭痛などの副反応が出やすいことが分かっている。重いアレルギー反応のアナフィラキシーは100万人当たり37人の頻度となっている。

大規模接種で使用へ

 モデルナ製は18歳以上が対象。ファイザー製と同じ技術が使われ、発症予防効果もほぼ同等の結果が出ている。零下20度前後で6カ月間保管可能で、ファイザー製より扱いやすい。副反応はファイザーと似ており、海外の治験ではアナフィラキシーの発症割合は40万人に1人だった。

 今回承認された場合、すぐに国の大規模接種会場で高齢者に使用される。国内では20歳以上の200人を対象に治験が行われたが、ファイザー製のように数万人規模の副反応のデータがないことに不安の声もある。ただ、日本ワクチン学会理事で長崎大の森内浩幸教授は「世界中で使われている中に多くのアジア系の人も含まれており、心配することはない」と話す。

 国の大規模接種会場は3カ月間限定で、東京と大阪を合わせても135万回分しか消費されない。30自治体でも同様の会場を設ける動きがあるが、使用量などの全体像は判然としない。ファイザー製とモデルナ製が同時に流通した場合、配送や保管をめぐって混乱が生じる恐れがある。

保管容易も血栓報告

 アストラゼネカ製は新型コロナの遺伝子の一部を「運び屋役」の別のウイルスに組み込んで、細胞内に送り込むのが特徴。有効性は76%と他の2つより低いが、季節性のインフルエンザワクチンに比べると高い。4~12週間の間隔で2回の接種が必要だ。保管は2~8度の冷蔵庫で6カ月間可能で、国内で生産できるのも利点として大きい。

 一方、海外ではまれな副反応として、血小板の減少を伴う血栓による重症例や死亡例が報告され、若年層を中心に使用を見合わせる国が相次いでいる。

 日本政府はアストラゼネカ製の使い方を明らかにしていないが、森内氏は「感染流行地域や高齢者には接種のメリットが大きいが、新型コロナによる死亡リスクの低い60歳未満、特に20~40代の女性にはすすめられない。日本の感染状況を踏まえれば年齢制限を設けないと受け入れられないのではないか」としている。

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