【自分と先祖様の防災サバイバル術】特別編~ペットも家族

同行、避難所ごとに判断 緊急時消臭剤など商品化

大切な〝家族〟の一員としてペットを飼っている人も多い。最近、人と同伴避難することを想定した、イヌ用の防災グッズが注目されている。

ペット用の防災グッズセットを防災袋に詰め込む柏本佳奈子さん。手に持っている洗浄ボトルは「けがをした際、傷口を洗うのに便利」という=大阪府東大阪市

■臭い、動物アレルギー…

 2018年9月4日、近畿地方を中心に死者14人という被害が出た台風21号。大阪府東大阪市の看護師、柏本佳奈子さん(42)の自宅でも強い風雨が窓を打った。

 看護師という職業柄、災害時には病院などに向かわなければならない。そんなとき、柏本さんは、隣接する両親宅にあんちゅ君(チワワ)を預け、高齢の実母が、両親宅にいるチワワと合わせて3匹を連れて避難する、と決めている。

 「どういう事態になるか予測がつかない。これまで『大阪は大丈夫』と過信していたけれど、万全な備えが必要だと痛感した」(柏本さん)

 環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」は、ペットとの同伴避難が望ましいとしているが、過去の災害ではペットといっしょに避難できず、飼い主と離散したペットをどう保護するかが問題となった。

 避難所に同行できたとしても、同じ室内で過ごす「同伴避難」が認められているかどうかは避難所ごとに対応が分かれているのが実情だ。

 動物特有の臭い▽動物にアレルギーのある被災者▽高齢者や小さな子供にかみつく懸念―などさまざまな理由が〝壁〟になるためだ。鳴き声がトラブルになる懸念もある。

■プロが選ぶ安心感

 こうした状況のなか、ペットの防災用品が次々と登場している。子イヌ向け商品を扱っている「こいぬすてっぷ」(東京都港区)は、獣医師監修のもと、『愛犬のための防災BOX』を商品化した。「包帯など応急セット」「洗浄用ボトル」「排泄物の防臭剤」「除菌タオル」「水のいらないシャンプー」など10点に加えて、応急処置の方法や避難所生活の心得をまとめた「防災手帳」も入っている。商品は防災安全協会からペット用品としては初となる、「防災製品等推奨品」の認定も得た。

 柏本さんもセットを発注。「自分なりにそろえた防災用品にプロが選ぶ防災セットを加えることで、安心感が増した」と話す。

 同社がイヌの飼い主向けに実施した全国調査では、7割以上が「ペットへの防災対策ができていない」と回答。獣医師でもある石田麻実社長(35)は「災害での避難が相次いでいることで、人間と同様、ペットも守ろうという防災意識が高まっている」と話す。

 ほかにも、「簡易ケージ」がイヌ・ネコ用はもちろんウサギ、ハムスター用なども登場。瓦礫などが散乱する路上でイヌが足をけがしないようにする「イヌ用の靴」、「迷子防止のためのネーム札」なども商品化されている。

(産経新聞大阪本社版 2018年11月30日の記事をもとに再構成)

おわり

※『終活読本ソナエ』2021年新春号より

★「自分と先祖様の防災サバイバル術」過去の記事はこちら★

シニアと防災①

シニアと防災②

シニアと防災③

サバイバル術➀事前の備え

サバイバル術②災害発生・避難

サバイバル術③避難生活

サバイバル術④感染症と介護 

サバイバル術⑤ご先祖さまの墓、仏壇

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