【自分と先祖様の防災サバイバル術】シニアと防災③

東日本大震災から10年を迎えた。死者1万5899人、行方不明2527人。その多くが災害弱者であるシニア層だった。シニアのための「防災サバイバル術」を考えてみよう。

10年後も減らない「震災自殺」

50代以降が圧倒的に多い

2018年の世相を表す漢字は「災」に決定。京都・清水寺貫主の森清範氏が揮毫した(18年12月12日)

 「地震」「津波」「その後の避難生活」をサバイバルしたとしても、心のなかに危機が訪れることもある。

 「自殺」だ。それは震災から10年を経ても、抜け出すどころか、深刻な状況が一貫して続いている。

 厚生労働省では震災後、毎年「東日本大震災に関連する自殺者数」の統計をまとめている。それによると、震災が原因で自らの命を絶った人は235人。

 震災当年の2011年こそ55人と突出したが、その後は5年以上にわたり20人~30人台で推移。18年が9人と初めて1ケタ台に落ち着いたが、翌19年には16人に増加している。

 年齢別では圧倒的に高齢者が多く、①50代、②60代、③70代の順番となっている。全国の平均が、①40代、②50代、③60代であることを考えると、被災地における高齢者の自殺率が高い数字となっている。(ただし、被災地のほうが高齢化進んでいる点には留意する必要はある)

 最新の19年の場合だと自殺者16人のうち60歳以上が9人、50歳以上にまで対象を広げると実に12人となっている。 男女比では男157人、女78人。「男性自殺は女性の2倍」という全国的な傾向との差はみられていない。

原発事故の影響大きく

 原因をみると「健康問題」が圧倒的に多く114人、次いで「家庭問題」52人、「経済・生活問題」50人となっている。

 特に、「原発事故」という過酷な被害を抱える福島県では、原発事故が原因となった自殺が多いのが特徴的になっている。県別にみた場合、岩手県53人、宮城県57人に対して、福島県では115人が命を絶っている。

 さらに福島県の自殺者数は、11年が10人だったのに対して、翌年以降それを上回る年が多く、19年でも12人が関連死認定されている。避難指示が続く双葉町では、20年12月時点で福島県内に4025人、県外に2789人(いずれも支援対象者)が避難生活を強いられている。 役場では「生活が一変したことへの苦労や、ストレスによって追い込まれてしまうケースが多いとみている。震災から10年がたったが、一向に変わらない生活に、苦労やストレスは増大している」と話している。

(シニアと防災 サバイバル術➀につづく)

※『終活読本ソナエ』2021年新春号より

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