28泊29日になったことも 離島受験生たちの共通テスト

保護者や教員らに見送られ、島外の試験会場へ向かう喜界高校の生徒ら

 15、16両日に実施される大学入学共通テスト。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が広がり、感染症対策などに気をもむ受験生も多い中、すでに試験会場に向けて出発している受験生たちがいる。近くに試験会場がないため、長距離移動が必要になる離島の受験生たちだ。緊張を伴う長期日程とあって、出発した生徒たちを見守る教員らは「離島の子供たちは負担が大きいが力を出し切ってほしい」とエールを送っている。

 13日午前、鹿児島県立喜界高校(喜界町)の3年生8人が勉強道具の詰まった大きなキャリーバッグを手に、喜界空港から奄美大島へと出発した。

 前日の12日に高校で開かれた激励会では、「今までやってきたことを信じ、全力で粘って頑張ってきて」とエールを送った教員らに生徒が「頑張ります」と力強くうなずいた。

 大倉秀心教頭は「離島の子は飛行機代や宿泊代など経済的な部分も含め負担感は大きい」と話す。

 島嶼(とうしょ)部を有する鹿児島県では、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島に試験会場が設けられておらず、離島の受験生は奄美大島や沖縄県で試験に臨むことになる。同校では、毎年試験の2日前には現地入りしており、今年は荒天を警戒して、出発を半日早めた。「会場へ行けないとなったら終わりなので、念には念を入れた」という。

 オミクロン株の感染拡大により奄美大島でも1月に入り、コロナ感染者が増加。「受験生がかからないことはもちろんだが、小さな島なので、ウイルスを持ち帰らないというプレッシャーはある」と大倉教頭。

 生徒も引率教員もホテルと会場の往復のみで、食事もホテル内で取るなど感染症対策に努めており、「昨年より心配は大きいが、生徒には平常心で臨んでほしい」と話した。

 一方、都心から約千キロ南に位置し、海路で24時間かかる東京都・小笠原諸島の都立小笠原高校では10日に、共通テストを受験予定の生徒3人が出発。小笠原諸島・父島と都心を週に1往復する貨客船「おがさわら丸」が唯一の移動手段で、生徒が自宅へと帰れるのは早くて19日だ。船中泊を含めて9泊10日の長丁場となるが、中村直樹校長は「これでもだいぶ短くなったんですよ」と苦笑する。

 というのも、おがさわら丸は例年なら年に1度、この時期に検査のためドック入りするため、受験で島を出た受験生が長期間自宅に戻れないことはざら。

 令和2年にはドック入りが長引き、約1カ月間島に戻れず、受験生は28泊29日の受験旅を余儀なくされた。昨年と今年は検査時期をずらすなどの措置を取っており、「今後も同じ対応になりそうで、28泊なんていうことはなくなりそうだ」という。

 乗船にあたり、PCR検査を受けて出発した受験生たち。中村校長は「オミクロンへの不安はあるが、検査を受けて多少なりとも気持ちの上では軽くなったのでは。力を出し切ってほしい」とエールを送った。

 大学入試センターによると、今年の共通テストの志願者数は約53万人が出願し、全国677会場で実施される。

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