【覆面トレーダーK 億り人への道】目指すはバフェット?空売り王?「13F」をゲットせよ!

年金不信、低所得、人生100年…。このままじゃヤバい!コロナをキッカケに生活防衛を本気で考え始めた40代サラリーマンが、投資に挑む。目指せ、ハッピーリタイア!

米の著名投資家、ウォーレン・バフェット氏

勝ち組をパクる

 下手の考え休むに似たり、という諺がある。

 自分でアレコレ考えるのも大切だが、プロから学ぶのはもっと大切だ。

 そもそも「学ぶ」の語源は「真似(まね)ぶ」。ということで、今回は著名投資家のポートフォリオを覗いてみよう。得ることは多いはずだ。

 アメリカ証券取引委員会(SEC)は1億ドル(≒100億円)以上の資金を運用する機関投資家やヘッジファンドに、3ヵ月に1回、保有銘柄の開示を義務付けている。

 3、6、9、12月末時点の情報をそれぞれ45日以内、つまり3月末のものは5月15日前後、6月末は8月15日前後、9月末は11月15日前後、12月末は翌2月15日前後に公開する決まりだ。

 この報告書は「Form 13F」と呼ばれる。たまに経済ニュースで、「ウォーレン・バフェットがアレを買った、コレを売った」と報じられるが、その元ネタがこの「13F」だ。

13Fの読み方

 SECトップページ(https://www.sec.gov/)からFilings→Company Filing Searchへ(写真①)。

写真①

 検索窓に、お目当てのファンドや機関投資家の社名(バフェットならBerkshire Hathaway)を入力すると、同社が過去に開示した情報の一覧が表示される(写真②)。

写真②

 今回、最新の13Fは8月16日に公開された6月末時点のもの。「August 16, 2021 – 13F-HR: Quarterly report filed by institutional managers, Holdings」「Filing」を開く。INFORMATION TABLE はhtml版でいいだろう。これがバフェット率いるバークシャー・ハサウェイのポートフォリオだ(写真③)。

写真③

 保有金額や株数、全体に占める割合などで整理したほうが見やすいから、データはエクセルにコピペするといいだろう。以下はポートフォリオ全体に占める金額が多い順に並べ直したものだ。

 バークシャーは毎回、上位の顔ぶれは変わらない。アップルが全体の4割程度を占め、あとはバンク・オブ・アメリカ、アメリカン・エクスプレス、USバンクといった金融系。そして、1988年からずっと持ってるコカ・コーラだ。

 コーラは伝統的な食品産業だからIT企業のように急成長しない代わりに、不景気でもそんなに落ち込まない。実際、59年間連続で増配してきた「配当王」でもあり、御年90歳のバフェットも1日5本は飲むという。「コーラ骨を溶かす説」はウソだ(笑)。

 ポートフォリオから察するに、バフェットは成長力(≒株価上昇力、キャピタルゲイン)はアップルに賭け、安定的な配当収入(インカムゲイン)は銀行株、食品株に任せているのだろう。

 最新の13Fと前回、前々回を比べると、大物投資家の思考に触れることができ、結構面白い。

 例えば、バークシャーは、3月末に64万3000株保有していたバイオジェン(BIIB)が6月末時点ではゼロ。「ワクチン相場」は終わった、と判断したのだろう。

 スタンリー・ドラッケンミラー氏率いるDuquesne Family Officeは6月末、民泊サイト運営のエア・ビー・アンド・ビー(ABNB)、ホテルチェーンのマリオット・インターナショナル(MAR)株を新たに取得。旅行代理店のエクスペディア(EXPE)も3月より買い増している。ワクチン接種後の旅行需要復活を狙っているようだ。

13Fの注意点

 13Fからデータを入手し、読み解く際の注意点を以下に記しておく。

 ①開示されるのはあくまでも3、6、9、12月末時点のポートフォリオ。各期末の締め日から開示までに45日のタイムラグがあるから、その間の株の増減は資料に反映されないし、期末翌日に全部売り抜けていても、我々には分からない。

 ②13Fの報告対象は、米国株、米国ETF、株式オプション等の「買いポジションのみ」だ。上の表でバークシャーは8億8713万株のアップル株を有しているが、これは買いポジションが記載されているだけ。もしかしたら、裏でコッソリもっと大きな売りポジション、空売りを仕掛けているかもしれないが(多分ないが)、それは分からない。

 ③権利売買であるオプションは少しややこしい。株が上がれば儲かる「コールオプション」、下がれば儲かる「プットオプション」とも、オプションを買い持ちしている場合は記載され、売った場合は記載されない。コール(買う権利)を買って持っている場合は載るが、コールでも売った場合は載らない。プット(売る権利)を買えば載るが、プットを売った場合は載らない。

テスラに「世紀の空売り」か

 映画「The Big Short(邦題:マネーショート 華麗なる大逆転)」の主人公で、リーマンショック時の空売りで大儲けしたマイケル・バーリ氏。彼が主宰するScion Asset Managementは今年に入り、テスラ(TSLA)にネガティブな見方を続けている。

 3月末時点で80万口(5億3441万ドル)保有していたテスラのプットオプションが、6月末には107万5500口(7億3101億ドル)に増加。テスラ株がETF全体の構成の10%超を占める人気商品「アークイノベーションETF(ARKK)」についても、6月末で23万5500口(3079万ドル)分のプットを保有している。テスラはこれから下がる、とみているのは間違いない。

 今回はあまり触れなかったが、13Fの報告義務者には、ファンドのほか、一般企業や銀行、保険会社、年金基金なども含まれる。年金基金が頻繁にポートフォリオをイジるとも思えないから、彼らの動向を中長期的に把握すれば、ゆったり、腰を据えた銘柄選択が出来るかもしれない。


■覆面トレーダーK 都内在住の40代の男。アーリーリタイヤを目指し、会社勤めの傍ら、結構ガチで兼業トレーディングにいそしむ。主戦場は、短期投機でFX、株価指数先物・オプション、暗号資産。長期保有では米国株。趣味は酒。

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