【馬渕磨理子の新富国論】マイルドな投資法・マイルドな生き方の提案~黒字転換2倍株のススメ~

株式投資は「平等の空白地帯」

約20年ぶりにリニューアルされた東京証券取引所の電光掲示板=20日午前、東京・日本橋兜町

 これだけ情報社会になった今、一部の限られた人だけしか知らない情報は数少なくなりました。私の思う、閉ざされた情報は「国防・安全保障、不動産の一部の富裕層向けの情報、ベンチャー村の情報、富裕層向け医療情報」などがそれに当てはまると思います。

 しかし、株式市場の情報は、年々オープンソース化し、誰でもアクセスできるような環境にあります。むしろ、他の人よりも先に内部情報を知ることで、売買するようなことがあれば、インサイダー取引として違反者には刑事告発や課徴金納付命令の勧告が行われます。

 その意味では、株式投資は「よーい、ドン!」。スタート地点は誰もが同じ地点から始められる「平等な地帯」です。

 高校時代の担任の先生に、「あなた方の最後の平等な戦いは受験戦争です。世の中に出ていけば、自分の努力だけではどうにもならない社会が待っている」「受験は、自分の努力や成績が、歪曲されることなくまっとうに評価される。一方で、社会に出れば、実力以外での評価が伴う、理不尽なことだらけ」。高校1年生の時にこう言われた衝撃を未だに覚えています。

 しかし、あれから何年も経ち、株式投資の知識は社会に出てからも存在していた「平等の空白地帯」なのではないかと思う次第です。そして、皆さんにお伝えしたいのは、その平等の空白地帯では自分なりのロジックが通用することです。誰かの考え方が全て正しいわけではなく、自分が腹落ちするロジックの中で生きていけばいいのです。

自分なりのロジックを探す~知識ゼロなのにいきなり資産運用を任される~

 大学卒業後、私は公共政策を学ぶ大学院に進学。そこで政治・経済・行政を学びましたが、夢だったキャリア官僚の試験には受からず、全ての就職活動に失敗しました。

 結果、2013年に関西の某医療法人に入社。その医療法人に入ったことで、私の人生はガラリと変わりました。入社後に「大学院で政治・経済を学んできたのだから、金融もわかるだろう。資産運用をやってくれないか。金融の知識は、将来必ず君の力になってくれるよ」と言われ、全くの未経験なのに資産運用の専業デイトレーダーをすることになったのです。

 いきなり投資の世界に投げ込まれたので、それからは大変な苦労の連続でした。この医療法人で貰ったチャンスをものにするもしないも自分次第だと思い、そこからは、ただただがむしゃらに勉強し、働きました。結局、専業デイトレーダーの成果としては、与えられた資産を2年で3倍にすることができました。今でも、このチャンスをいただけたこと、恵まれた環境にいられたことにたいへん感謝しています。

 このときのトレーダーの経験からわかったことは、株式投資は中長期投資が一番だということです。専業トレーダーとして生きていくことができる人は、ほんの一握りです。それはある意味、特殊な才能を持った人たちなのだと言えます。私も含めて多くの人は、平日は本業をやりながら、兼業で株式投資をするのが普通です。そんな方々におすすめできる投資スタイルは、株価の値上がり値下がりに一喜一憂しなくていい中長期投資なのです。

黒字転換2倍株、地味だが日本のサラリーマンに向いている

 黒字転換 (クロテン) 2倍株の投資法は、私が、全国各地のセミナーで5年間にわたって個人投資家の方々にお伝えしてきた、的中率70%超の堅実な投資法です。「黒字転換2倍株投資術」とは、四半期決算データで営業利益・経常利益が「赤字」から「黒字」に転換するタイミングの銘柄をいち早く見つけて買い、2倍になったら売るというシンプルな方法。「リスクを取りたくない、損切りの回数を減らしたい、でも利益は欲しい!」という堅実派の人にも始めやすい、マイルドな投資法です。

 特に、これから経済の正常化により、「業績相場」へ移行すると考えられます。業績相場では、黒字浮上する銘柄の力強い値動きが予想できます。「リスクを取りたくない、損切りの回数を減らしたい、でも利益は欲しい!」という堅実派の方にピッタリの投資法です。

 株価10倍という派手さなないけど、堅実に2倍株を狙っていきます。地味だけれど、日本人のサラリーマンに最もなじみやすい手法です。

 クロテン2倍株を見つけ出すには、証券会社のスクリーニングの活用だけでなく、日々のニュースで「黒字浮上」「黒字転換」といったキーワードにも敏感に反応するようにしてください。決算のニュースで「黒字浮上」といったニュースをみれば、その企業をチェックして、購入予定の銘柄リストに入れておきましょう。リストは手書きのノートでも、エクセルのファイルに記録したりなどでもいいです。

 忙しい方は、その日に具体的に企業の業績をチェックできないこともあるでしょう。週末など、時間に余裕があるときに、その企業の業績がこの後述べるような黒字転換をしているのかを確認してください。ポイントは「通期(1年間)」で黒字転換している銘柄ではなく、「四半期(3か月)」で黒字転換している銘柄を探すことがコツです。通期の黒字転換も、もちろん株価の立ち上がりを示す重要な兆しですが、その一歩手前の四半期での黒字転換を捉えることをオススメします。銘柄によっては、通期の黒字転換銘柄は、既に株価が上昇してしまっていることもあります。

金融、株は難しくない

 金融業界は難しいことを難しく表現する傾向にありますが、その言葉に惑わされる必要はありません。結論を言えば、株価のチャートは「上に上がる」か「下に下がる」か「しばらく横ばい」か、この3つの動きしかありません。

 「金融、株は難しくないです」。私自身、読者の金融に対する“心理的な障壁”をなくしていきたいと思い、“簡単な言葉で金融について語る”活動をしています。最終的に、誰もがしなやかに生きることができる社会創りを目指しています。誰かの価値観ではなく、自分の価値観で生きる。自分の意思で人生の選択ができる世の中のためにも、資産形成は必要なのです。


◇経済アナリスト馬渕磨理子の金融・株式への心理的障壁を下げたい思いや、マイルド投資法、マイルドな生き方を提案。株式投資ビギナーにおすすめしたいのが『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』(馬渕磨理子著、ダイヤモンド社、6月16日発売)

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■馬渕磨理子(まぶち・まりこ) 
経済アナリスト。フジテレビ『Live News α』レギュラーコメンテーター。ムック本『ギガトレンド 馬渕磨理子』がヒット中。プレジデントオンライン6,000万PV超。『PRESIDENT』『週刊SPA!』『日経CNBC』『ダイヤモンド』『ラジオ日経』など連載・出演多数。ミス同志社。京都大学公共政策大学院卒(修士)。https://twitter.com/marikomabuchi

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