【馬渕磨理子の新富国論①】投資で考える豊かな未来

老後の資産運用術

 資産運用は「品格」ある人生への一歩です。「品格=余裕」が人の生き方や考え方に影響を与えます。余裕から生まれる「思いやりと気配り」のあるヒトに「品位」を感じることが皆さんもあるでしょう。歳を重ねるごとに大切になってくるのがまさに「品位」です。

 日本人は老後のことを考えた時に、選択してしまうのが「余裕」とは真逆の「節約してお金を貯める」といった行動です。節約は大事ですが、働いた分以上にお金が増えることはないので、「余裕のある人生」を送ることは難しいといえます。また、お金を得ることに対する拒否反応が強い人が存在しています。<投資で得た10万円>も<労働で得た10万円>も金銭的な価値は同じです。

 むしろ、「お金に働いてもらい」収入を得ることは、賢くスマートな生き方でしょう。こういった考え方が「品格=余裕」のある人生では必須になってきます。人生100年時代を見据えた資産運用を考えてみましょう。

なぜ老後の資産形成でこれが大事なのか

 投資は自分の意志で、自分の未来を切り開いていく1つのツールです。使いこなさいでいることのほうが、むしろ「リスク」です。例えば、自分の人生を豊かにする便利な「スマホ」があるにもかかわらず、好き嫌いで使用しなければ、様々なチャンスや機会を失い、時代に取り残され、情報格差、ひいては所得格差に繋がっていきます。投資は「スマホ」と同じように、使いこなすべき「ツール」なのです。

長期投資、分散投資、積み立て投資

「長期投資」 短期売買では手元資金が2倍、3倍に、時には10倍といったことも起こり得ますが、短期間で手元資金がゼロ、またはマイナスになることもあります。長期投資は、短期間で売買を繰り返すのではなく、長期にわたって金融商品をそのまま持ち続ける投資のことです。投資期間を長く保有することによって、投資の平均収益率は安定していく傾向にあります。2倍、3倍といった感覚ではなく、例えば、年3%の利回りで複利運用(運用で得られた利益の再投資)すれば老後に必要な資金を作ることができます。

「分散投資」 老後の資産形成を考える上で「分散投資」も重要です。分散投資は大きなリターンを得ることではなく、大きく負けないことが目的となります。そのために、「資産・銘柄」の分散、「地域の分散」、投資する時間をずらす「時間の分散」をします。すべての資金をひとつの金融資産に集中させると、運用がうまくいかなかった場合にはマイナスの影響が資産全体に及ぶため、値動きの異なる複数の資産に分散させることで、リスクを分散します。また、異なる状況にある地域の資産、通貨を組み合わせて投資を行うのが「地域の分散」です。また、一度に多額の投資を行うのではなく、投資のタイミングをずらすことでリスク分散をしていきます。

「積み立て投資」 積み立て投資は毎月、一定額を淡々と購入する投資法です。有望株を探し出す技術や売買のタイミングを迷う必要がない投資です。ここで、長期間の積み立て投資をした場合の効果を見てみましょう。例えば、50歳で資産運用を始めて、65歳の時に2000万円の資金を用意したいのであれば、年3%の利回りで月々88,116円の積立投資をすることで実現できます。40歳で資産運用を始める方であれば、月々44,842円の積立投資で65歳の時に2000万円の資金を手元に置いておくことができます。老後の資産形成を考えた場合、積み立て投資は早くスタートすればするほど「時間を味方」にすることができます。

老後資産運用のやってはいけない3箇条

「退職金をつぎ込んで投資デビュー」

 退職金が口座に振り込まれると銀行から電話がかかってきて、投資を始める人が多いです。しかし、投資を勧めてくれる電話の向こう側の人が、必ずしも自分の退職金を心から大切に思ってくれている人だとは限りません。

 勧められるままに1つの金融商品または何種類の金融商品に全退職金をつぎ込んで、「はじめての投資!」をスタートするといったことは絶対にやめて下さい。一度に投資してしまうと、ある商品で損をした時に、残りの資産との兼合いで資産配分を変えるなどの修正や「余裕」が全くなくなってしまいます。「余裕」のある老後のために決意した投資が自分の首を絞めてしまうことになりかねないのです。

「相場が暴落したら積み立てをやめる」

 相場が暴落したタイミングで「投資なんてするんじゃなかった」と積み立てを止める人は少なからずいます。積立投資の1つのメリットは、淡々と購入を続けることで、値段が下がった時に、たくさん買えるというメリットがあります。その後、値段が戻ったときに利益を出しやすくなる投資法です。積み立てをしているときに相場が下がったら、むしろ、そこでは継続して購入する「チャンス」ということになります。株価が暴落すると、恐怖を感じるのは当然のことですが、そこで積み立てをやめては、意味がなくなってしまいます。

「ゆとりない状況での投資」

 老後の資産形成はもちろん大事です。ですが、今、現在、生きている自分を大切にしなければ未来などないでしょう。資産形成をする余裕が全くないにもかかわらず、月々の積立金を拠出することで、“リアル”の生活が苦しくなるようでは元も子もないです。また、投資資金が大きく値下がりしても、精神的に気に留めない程度での投資にコントロールすることが重要です。経済的にも精神的にも、ゆとりを奪わない範囲での資産形成をおすすめしたいです。投資は「品格=余裕」のある人生を送るためのものなのですから。

■馬渕磨理子(まぶち・まりこ) 
経済アナリスト。フジテレビ『Live News α』レギュラーコメンテーター。ムック本『ギガトレンド 馬渕磨理子』がヒット中。プレジデントオンライン6,000万PV超。『PRESIDENT』『週刊SPA!』『日経CNBC』『ダイヤモンド』『ラジオ日経』など連載・出演多数。ミス同志社。京都大学公共政策大学院卒(修士)。https://twitter.com/marikomabuchi

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