【家電の世界】ワイヤレスイヤホン型補聴器、サポートをオプション化で低価格実現

ワイヤレスイヤホンのように見えるが補聴器だ

シャープ「メディカルリスニングプラグMH-L1-B」

 シャープが補聴器市場に新たに参入し、第1弾製品として、ワイヤレスイヤホンスタイルの耳あな型補聴器「メディカルリスニングプラグMH-L1-B」を発売した。

 医療機器製造販売業者のニューロシューティカルズとの協業により製品化したもので、管理医療機器の認証も取得しており、軽度および中等度難聴者を対象にしている。

 シャープは「コロナ禍では、マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保によって、会話が聞き取りにくい状況が生まれたり、オンライン会議でも聞き取りづらさを自覚したりする人が増加。コロナ前に比べて、聞こえづらさを感じている人は1・5倍に増えている」とする。

 日本には約1430万人の難聴自覚者がいるが、補聴器の所有率は約14%にとどまっている。補聴器が高価であったり、装着することが格好悪いというのが理由だ。

 「まだまだ現役でバリバリ働きたいが、聴力の低下で仕事を続けられるのか、パフォーマンスが落ちないかといった不安を持っている人に向けて開発した。聴く力が健康な状態である『健聴寿命』を延伸することに貢献したい」と同社。

 同製品では、個人の聞こえ具合に合わせて会話を聞き取りやすくするリスニングモード、ワイヤレスイヤホンのように、スマートフォンなどで再生した動画の音声や音楽などを楽しめるストリーミングモードのほか、本体内蔵のマイクを使って、スマホでの通話時やオンライン会議時などにハンズフリーで会話ができる機能を搭載。オフィスで働くビジネスパーソン、ホテルやレストランの接客スタッフ、建設現場のエンジニアなど利用環境に最適化した10種類のシーンデータから選択できる手軽さも特徴だ。

デザインはオン、オフいずれにもマッチ

 ワイヤレスイヤホンスタイルであり、オンやオフの場にもマッチするデザインを採用。眼鏡や時計のように日常的に着用したくなる補聴器として提案するという。他人に知られずにこの補聴器を利用できそうだ。

 補聴器としての性能、品質、安全性を備えながら、希望小売価格9万9800円(非課税)という低価格を実現した点も見逃せない。「一般的な補聴器は両耳で30万円程度になるが、そのなかには技術料が含まれている。こうしたサポートをオプション化したり、リモート化したりすることで初期費用を抑え、リーズナブルな価格を実現した」と同社は説明する。

 スマホと連携したCOCORO LISTENINGサービスを新たに提供。認定補聴器技能者や言語聴覚士の資格を持つ専門家が、リモート環境でフィッティングの調整などを行い、これらのサービスを60日間無償で提供する。「一般的な補聴器の場合、フィッティングのために3~10回程度、販売店に通う必要があるが、新製品ではスマホと接続して、専用アプリにより音量調整などの操作ができるだけでなく、自宅にいながら、プロによるサポートがリモートで受けられる」と同社。

 オプションのケアプランは、1年間のフィッティングサービスや5年間延長保証などを3万3000円(税込み)で提供。10月末まで半額にしている。

 補聴器を利用するきっかけを作ってくれる製品ともいえる。 (ジャーナリスト)


 ■大河原克行(おおかわら・かつゆき) 30年以上に渡って、IT・家電、エレクトロニクス業界を取材。ウェブ媒体やビジネス誌などで数多くの連載を持つほか、電機業界に関する著書も多数ある。

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