【家電の世界】5月中にエアコン試運転を 在宅勤務で稼働増え“不具合”多発も

 暑さが本格化する前の5月中に、ぜひやってほしいのがエアコンの「試運転」だ。

 おうち時間を快適に過ごしたり、在宅勤務を効率的に行ったりするには、夏場のエアコンは欠かせないが、パナソニックの調査によると、昨年7~8月に、エアコンを修理した人のうち、修理を依頼してから使えるまで2週間以上かかった人が39・9%、修理したが直らなかった人が4・0%と、合計約4割にも達していたのだ。

 多かった理由が、「繁忙期で販売店や業者の予約が取れなかったため」で27・9%を占めた。真夏の工事繁忙期に重なり、待機せざるを得なくなり、猛暑のなかでエアコンを使えない状況が続いていたのだ。

 ダイキン工業では、「今年冬には、エアコンで暖房利用した人が多く、特に週3日以上在宅勤務した人では、前年に比べて1・8倍の使用時間と、約2シーズン分の仕事をしていたという結果が出ている。長時間のエアコン使用による負荷や汚れの状態によっては、夏の冷房使用時に不具合が発生する可能性が例年以上に高まる恐れがある」と指摘する。

 同社のエアコンに関する問い合わせ受付件数は、毎年7、8月に集中。4、5月の約3倍に増えるという。「修理や設置工事をする人が一時的に不足し、工事が完了するまでに通常以上に待たされることになる。エアコンがない不快な夏を、我慢して過ごすことになりかねない」と警鐘を鳴らす。

エアコンないと熱中症リスクも

 実は、熱中症の発生場所で一番多いのが住居であり、エアコンが使えないことは、熱中症リスクも高まることになる。経済産業省および環境省でも、家庭内での熱中症を防止するために、夏本番シーズンを迎える前に、早期にエアコンの試運転を行うように呼び掛けている。

 試運転はどうしたらいいのか。パナソニックでは、(1)電源を入れる前にブレーカーやコンセントにホコリがないかを確認(2)運転モードを冷房にして、設定温度を最低にし、風量を最大にして、エアコンがしっかり動くまで30分以上運転する(3)異音がしないか、風が出るか、風が臭わないか、水漏れがないかなど、エアコン本体やリモコンをチェックする、といった3つの手順を勧めている。試運転を自動で行うエアコンもある。

別居する親のエアコンにも注意を

 自宅の運転が終わったら、離れて暮らす両親のエアコンにも目を向けてほしい。三菱電機の調査によると「両親のエアコンの試運転ができていない」という人が55・8%と半数以上を占める。同社では「両親が高齢の場合、自分ではエアコンの掃除や試運転をできないことがある。家族で協力しながら、快適な室内環境をつくってほしい」と提案する。

 電話やメールを通じて、(1)リモコンの画面は「冷房」になっているか、設定温度は何度になっているのかを聞く(2)試運転開始から10分後に、エアコンの吹き出し口に手を当てて冷たい風は出ているかを確認する(3)できれば、屋外にあるエアコンの室外機の前にふさぐ物を置いていないかも確認してもらう、という3つのステップで対応してほしいという。

 この夏も、厳しい暑さが見込まれる。快適な夏を過ごすだけでなく、熱中症予防のためにも、5月中に1度試運転をしてほしい。 (ジャーナリスト)

 ■大河原克行(おおかわら・かつゆき) 30年以上に渡って、IT・家電、エレクトロニクス業界を取材。ウェブ媒体やビジネス誌などで数多くの連載を持つほか、電機業界に関する著書も多数ある。

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