【こんな時代のヒット力】豆乳ではなく素材を丸ごと、なめらか食感で フジッコ「大豆で作ったヨーグルト」

生姜醤油をかけてもおいしい「大豆で作ったヨーグルト」

 何でも「大豆化」している。肉・ハンバーグなどの植物肉加工食品が、スーパーの店頭へ並ぶ。肉以外でも様々な分野で、動物性タンパク質から大豆を使った植物性タンパク質への置き換えが、2020年に一気に進んだ。

 中でも、「これができたか!」と好調なのは、フジッコ(神戸市)が、20年3月に発売した「大豆で作ったヨーグルト」。豆乳ではなく、大豆を丸ごと使用しているので、食物繊維が豊富なことが特徴だ。乳成分不使用なのでコレステロールはゼロだ。

 フジッコは、発売から40年のロングセラー、加工煮豆の「おまめさん」や、12年発売「カスピ海ヨーグルト」で知られる。

 開発開始は6年前。「大豆の新しい食べ方を提案しようという発想だった」と、ヨーグルト・デザート事業部、敷田加寿美さんは言う。

 豆乳ヨーグルトは既に市場にあった。目指したのは大豆の栄養、おいしさを丸ごと味わうヨーグルトだった。大豆の老舗の意地ともいえる。

 しかし、最大の障害は大豆の青臭さだった。豆乳ヨーグルトの味は、あっさりすっきり。大豆全部を使った濃厚さを求めると、どうしても大豆のえぐみ・渋みが残り、発酵させると青臭さが強調される。

 豆と乳酸菌の種類を変え、様々な組み合わせを試した。その度に発酵方法が変わり、製法も変わる。「試作品を作っては試食を繰り返し最適な組み合わせを探した」という。

発売を2年延期し、目指した味が完成

 発売予定は2年延びたが、その結果、大豆そのものを楽しみながらとろ~りなめらかな食感と、酸味控え目のまろやかな味わいが実現した。

 パッケージは側面に大豆を感じさせるベージュを配し、蓋のゴールドでプレミア感を演出した。「色以外は。全体にすっきりとしたデザインで、余計なものを入れていない感じを意識した」(広告宣伝グループ、作田憲昭さん)。青、白が多いヨーグルトの棚で、目に留まる効果も狙ったという。

 コロナ禍の発売のため、当初予定していた店頭での試食による露出はできなくなった。代わって、まず売り場で手に取りたくなるよう健康・美容の情報を、自社サイトとSNSで発信した。

 リピーター向けには、おいしい組み合わせを提案した。普通なら蜂蜜、ジャムだが、「原料が大豆なので和食に合い、デザートとしてだけでなく食事シーンの提案もしている」と、作田さん。万人向けではないがと言いながら、作田さんのお薦めは「醤油、特に生姜醤油との組み合わせは、抜群」だという。

 コロナ禍でヨーグルト市場は二極化し、「どうせ食べるなら」と、高価格帯が伸びている。大豆で作ったヨーグルトはそうした需要をつかまえ、ますます好調だ。

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