【マンション業界の秘密】中国不動産のバブル崩壊は「確実」 日本への影響は23年以降か

都心のマンション群に中国のバブル崩壊が迫っている

リーマン・ショック「影響は軽微」との観測が多かった

 来る2022年、中国の不動産バブルが崩壊することはほぼ確実な情勢となってきた。

 実のところ、現状でもほぼ崩壊している。ただ、あの国には報道の自由がないので実態が分かりにくい。恒大集団などいくつかの大企業が部分デフォルトとなり、物件価格も下落しているようだ。

 中国の不動産バブルは人類史上最大規模であることは間違いない。その崩壊が世界経済や日本経済にどのような影響をもたらすかは、まだ分からない。だが、メディアに出ている観測記事は「影響はほとんどない」という類のものが多い。分からないのなら、分からないと書くべきだ。それを希望的観測で「影響がないはず…」というのは、無責任だろう。

 08年9月、米リーマン・ブラザーズの破綻を当初、日本のメディアやエコノミストのほとんどが「影響は軽微」とする観測を示した。

 しかし、翌09年から日本はとてつもない不況に陥った。東京の街に失業者があふれて、彼らに食事などを提供する「派遣村」ができていた。

 その結果、09年の総選挙で自民党は下野。安倍元首相が言うところの「悪夢の民主党政権」の約3年が始まった。その間に東日本大震災も発生した。日本で景気回復が実感できるのは、13年に始まったアベノミクス以降だ。

 振り返ってみよう。1990年代に日本のバブルは崩壊したが、世界経済への影響は軽微だった。

 今回の中国不動産バブルの崩壊も、その事例をベースに考えれば、日本経済はあまり影響を受けないはずなのだが、歴史は繰り返すのではなく「韻を踏む」と言われる。あるいは、歴史が繰り返される場合は「一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」となるのである。

日本の都心部新築マンションが好調な理由

 今、なぜか日本の都心部で販売されている新築マンションが好調だ。

 日本の2021年7―9月期のGDPは調整後に年率マイナス3・5%になった。明らかな不況である。であるのにマンションが売れるのはおかしい。

 ここには本来の「住むため」の需要以外の力が働いている。不健全なバブル的投機需要である。その一角を占めるのが、中国からのマネー逃避とみている。

 中国の主要都市の一等地と比べると、日本の不動産は割安に映る。「上海でマンション1戸を買う値段で東京ではビルが買える」というのは、この1年あたり前からよく耳にするフレーズだ。

 その中国の不動産バブルが22年、可視的に崩れると、どうなるのか。

 22年いっぱいは大きな影響を受けずに済むかもしれない。理由は中国の不動産市場と日本経済は直接つながっていないから。

 だが、中国経済全体がマイナス成長に陥れば、業績不振となる日本企業も出て、不況色が強まる。日本経済が減速し、不動産市場にマイナスの影響が出るのは早くても22年後半。本格的な下落圧力が生じるのは23年以降ではないか。


 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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