【薬漬けにならないための基礎知識】降圧剤を何種類も出す医者は要注意 糖尿病薬の危険な組み合わせも

薬を飲むよりまず生活習慣の改善を

 患者数が1000万人以上とされ、国民病とも呼ばれる高血圧。高齢者の多くが、血圧を下げるための降圧剤を飲んでいます。私もその一人ですが、降圧剤はよほどの高血圧でない限り飲む必要はありません。それは、血圧の基準値というものがあいまいだからです。

 血圧の基準値は、現在、収縮期(上)140mmHg未満/拡張期(下)90mmHg未満とされています。つまり、140以上が高血圧なのですが、この基準値はこれまで何度も変更されてきました。

 私の経験から言うと、昔は140を超えたぐらいでは薬を出しませんでした。医者が受診を勧める「要医療」(治療ライン)は180/100だったからです。それが、2000年に日本高血圧学会が140/90に引き下げたので、一気に高血圧患者が200万人以上増えました。その後、さらに130/80に引き下げたので、高血圧患者はさらに増えました。

 多くの医者が読む『今日の治療薬』(南江堂)によりますと、降圧療法は高血圧の重大な合併症の脳卒中発症率を35~40%、心筋梗塞を20~25%、心不全発症率を50%以上低下させるといわれています。そのため、基準を上回れば、医者はどんどん薬を出します。

 血圧は、年をとれば自然に高くなります。若い頃に比べて血管は硬くなり、心臓の働きや血圧の調整に関係する自律神経の働きも鈍くなるからです。ほかに高血圧の原因として、ストレス、アルコール、運動不足、睡眠不足が挙げられます。

 ほとんどの人がこれらの原因で高血圧になるので、薬を飲むより、原因を排除し、生活を改善するほうがよほど効果があります。ただし、現在、服用中の方は一気にやめるとリバウウンドするので、徐々に減らすようにしてください。

 現在、私はオルメテック(5~20mg)という降圧剤と、テノーミン(50mg)というβブロッカーを飲んでいます。後者は、不安定狭心症という持病があるからです。

 オルメテックは5mgと10mgと20mgがありますが、朝に血圧を測ってから、どれを飲むか決めます。測定値によって分量を変えているのです。上が110とか100台のときは服用しません。

 テノーミンは、不安定狭心症の人間には必須と循環器の専門家から言われていますから、飲み続けています。いずれにしても、枕元に血圧計をいつも置いています。

 それ以外に、抗血栓剤を2剤服用しています。これまで3度冠動脈の手術をしており、血栓ができるのがもっとも怖いからです。ただし、抗血栓剤を服用すると血液がサラサラになるため、あちこちにアザができます。

 高血圧と糖尿病を持病にしている知人は、1日30錠も服用していましたが行き過ぎです。というより危険です。

 日本病院薬剤師会は2018年2月に『多剤投薬の患者に対する病院薬剤師の対応事例集』を公開しましたが、そのなかでもっとも懸念されたのが、降圧剤と糖尿病薬の組み合わせです。たとえば、降圧剤のループ利尿薬とビグアナイド薬の組み合わせは要注意です。

 また、異なる種類の降圧剤を併用することは、降圧効果はあるのですが、高齢者については、めまいや失神や転倒なとの過降圧の副作用が出る恐れがあります。

 内科の開業医にとって、高血圧と糖尿病はドル箱です。はっきり言って治癒がないからです。降圧剤を何種類も出す医者は要注意です。また、自分の服用薬の名前を知らない患者さんがいますが、これはダメです。

 いまの時代、自分の体温、心拍数、血圧などは毎日欠かさず測るべきです。アプリも活用し、コロナ禍で注目されたパルスオキシメーターも必須です。


 ■富家孝(ふけ・たかし) 医師、ジャーナリスト。1972年東京慈恵会医科大学卒業。病院経営、日本女子体育大学助教授、新日本プロレスリングドクターなど経験。「不要なクスリ 無用な手術」(講談社)ほか著書計67冊。

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