【元病院長のこだわり定年ライフ】アウトドアに再挑戦。長期単独行へ準備万端!

順天堂大学医学部付属順天堂越谷病院の院長職を2021年3月で退任。定年を迎えた元病院長は、これまでの人生で極めてきた数多くの趣味に、たっぷりの時間をかけて、さらに磨きをかける!

虫嫌い、米国でキャンプにハマる

 中学や高校の頃、友人と共にキャンプに出かけた。しかし、その頃のテントはお粗末で、海岸で野営すれば砂だらけ、おまけに変な虫まで入ってくる。森では蚊とこれまた訳のわからないカミキリムシのような輩との戦い、さらに雨が降れば水浸しになった。とにかく快適に過ごした思い出もなく、キャンプはまっぴらだった。しかし、これが2年間の米国留学で変化した。

ロッキー山脈で最も美しいとされるマルーン・ベルズの絶景。手前がマルーン湖(コロラド州)

道具に感銘。絶景に酔いしれる

 私は1979年から1981年までの2年間、米国はコロラド州デンバーに留学した。彼の地はロッキー山脈の麓、標高1600mの高地で30~40分もドライブすればロッキー山脈の素晴らしい自然が楽しめる。当然、冬はスキーに明け暮れていたが、帰国にあたって友人にキャンプを勧められた。その友人に「俺はキャンプはまっぴらよ、いい思いをしたことない」と言ったら、「おまえ何を寝ぼけたこと言ってんだ」と言って彼のキャンプ道具の数々を見せてくれた。なるほど見てみれば便利なものがいっぱいある。特に感銘を受けたのはテントだった。完全に密閉され、水も虫も全く侵入する余地がないことが一見して分かった。そこで道具の一部を借り、1歳になった長男を伴ってアスペン(コロラド州)から車で約30分、標高4,317mのマルーン・ベルズの山の麓、マルーン湖(同州)まで足を伸ばした。

 清らかな湖がたたずむ景色は、コロラドロッキーを代表する景色とのことで、確かにこれまで経験したことのない感動的景観であった。しかもこの地では丁度写真の右手の湖畔にキャンプ場があり、まさにこの景観を間近にしながら滞在が楽しめる。さすがアメリカだと感心した。

 これに調子づいた私はサンタフェ(ニューメキシコ州)、メサ・ヴェルデ国立公園(コロラド州)を訪ねたついでに、その西方に広がるアリゾナ砂漠のど真ん中でキャンプを楽しんだ。誰もいないサイトで怖くもあったが、砂漠の夕日は感動的だった。その後もグランドキャニオン(アリゾナ州)、ヨセミテ国立公園(カリフォルニア州)でテントを立て、まさに最高のアウトドアライフを堪能した。

本栖湖と富士山

バイク仲間とキャンプファイヤー

 コロラドでの最高のスキーを楽しんだ私は、帰国後20年間一度も日本のスキー場へ足を向けたことはなかったが、キャンプは違っていた。連載の前回(5月12日配信https://lifraplus.com/favorite/retirement-hobby-motorcycle)でお話したように私は林道ライダーだ。その過程でこの国にも魅力的なスポットが多数あることに気がついた。そこで道具を買い込み、33歳位からだったと思うが、ほぼ10年間、隔週ほどの頻度でキャンプを楽しむようになった。

 場所は色々訪ねてみたが直火で夜のキャンプファイヤーが楽しめる本栖湖キャンプ場(山梨県)がとても気に入っていた。バイオリンの名手S先生と過ごした夜は彼の弾くシャコンヌで多くの聴衆が集まり、帽子を持って回れば大儲けできるところであった。また、ここは富士登山道にも近く、友人や後輩のライダー達とも思い出深いキャンプの夜を過ごした。

 しかし、次第に仕事も忙しく、教授そして院長などの職責もあり、キャンプに赴く気持ちも萎えてきた。さらに25年ほど前に八ヶ岳に山荘を構えたこともあり、それからはほとんどキャンプに行くことがなくなった。

 だが、こうして定年を迎え、また私の野生の心が頭を擡げてきた。アウトドアライフ再びだ。

25年のブランクを経て、長期単独行へ

 退職後の夢はバイクにキャンプ道具を積んで勝手気ままな旅を楽しむこと。特に郷里の北海道には強い郷愁を感じている。ふらりと家を出て1カ月くらい旅をしたい、そう思っている(実は祖父がそういう人だった)。

20年以上ぶりにキャンプ道具を点検(左、中央)。新たにイワタニカセットガスを使えるバーナー(右)を準備

 やはり連載の前回に書いた大型バイク「BMW R1200GS」は、その長いキャンプの一人旅に耐え得るバイクで、トレーニングも積んできた。我が家には4家族ほどを招待できるだけのキャンプ道具がある。しかし、バイクの単独行となるとまた話は違う。より小型軽量で積載性の良い道具が求められる。先日、それらの道具を引っ張りだして総点検した。20年以上も使っていないのにいずれも完璧に作動するのには驚いた。さすが戦場でも使われたこれらの道具はタフさが違う。新たに必要となる小型テントや、調達が簡単なイワタニカセットガスを使うバーナーなどを追加購入、すでに準備万端だ。

 アウトドアライフの良いところは何か。それは日常を離れ、あえて不便な非日常的生活をすることで、日常の有難みが増すことだ。帰ってフカフカのベッドで寝るだけで幸せな気持ちになれる。

髙崎芳成(たかさき・よしなり) 1950年8月生まれ。順天堂大学医学部卒業。同大博士課程修了。米コロラド州立大学研究員を経て、2005年順天堂大学医学部教授。専門はリウマチ科・膠原病内科。2011年、順天堂大学医学部附属順天堂医院院長、2016年、順天堂大学医学部付属順天堂越谷病院院長。2021年3月に同院長退職。日本内科学会評議員、日本リウマチ学会理事長などを歴任。70歳になり八ヶ岳山麓に拠点を移した。バイク、スポーツカー、ワイン、カメラ、スキーなど多彩な趣味を謳歌し、週2日だけ都内で医師として働く。

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