開会式で話題 ピクトグラム「新競技」、SNSで続々

東京五輪開会式で披露された、ピクトグラムと同じポーズをとるパフォーマンス。(上段左から)スポーツクライミング、卓球、トライアスロン、(中段左から)自転車BMX、バレーボール、テニス、(下段左から)重量挙げ、サーフィン、サッカーの各競技=7月23日、国立競技場

 東京五輪の開会式のパフォーマンスで話題を呼んだピクトグラムが、新たな形で注目を集めている。SNS上には日常の場面などを競技に見立てたユニークな作品が登場し、大学のPRに活用するケースも。〝新種目〟が次々と生まれ、ピクトグラムを通じて五輪を楽しむ動きが広がっている。

日常の一場面

 抱き上げたネコの頭をなでる様子を図案化した「ネコをなでなでするピクトグラム」。7月25日に鹿児島県のイラストレーター、STUDY優作さんがツイッターに投稿すると、「この競技参加したい」「金メダル取る自信がある」とネコ好きの人たちが即座に反応。13万件以上の「いいね」がついた。優作さんは「うちのネコは暴れて抱けないので競技には加われないのですが、これほど反応があるとは」と〝競技人口〟の多さに驚く。

ネコをなでなでするピクトグラム (STUDY優作さん提供)
赤ちゃんと荷物を抱えての買い物など、子育てでありがちなピンチを表したピクトグラム(えぽさん提供)

 子育て中の母親が制作したピクトグラム「ママリンピック(パパリンピック)2020競技種目一覧」も話題だ。子供を小脇に抱えて買い物袋をぶら下げる「おかいもの(2人制)」、赤ちゃんを「高い高い」であやす「ベイビーリフティング」など、育児中の場面を7種類の競技に見立てて表現している。

 制作した愛知県の会社員、えぽさん(29)自身が1歳の娘を育てており、「わが家ではベイビーリフティングは毎日開催。大変な子育てもピクトグラムのように競技と思えれば」と3日ほどで完成させた。ツイッターに投稿後、約12万件の「いいね」がつき、フォロワー数も急増。地味な難関競技「寝かしつけ」など、さらなる競技化を求める声も相次ぎ、えぽさんは「子育ての競技は一生懸命な皆が金メダル。旬のうちに種目を増やしたい」と意欲的だ。

 大学が広報活動に採用するケースもある。

 金沢工業大学(石川県)はオンライン説明会の告知に12学科の特徴をオレンジや緑など明るい色調のピクトグラムで表現。歯車をあしらった「機械工学科」、ロボットを操る姿を描いた「ロボティクス学科」などで、「目指せ工学アスリート」と呼びかけている。

 デザイン担当者が「五輪に絡めたら注目されるかもしれない」と思いつき、五輪開催前の6月からツイッターで発信。当初はあまり反響がなかったが、開会式翌日から「タイムリー」「ピクトグラムに反応してしまう」などとコメントが寄せられた。説明会への申込件数も例年の約2倍に上り、広報担当者は「さらに増えそう」と期待する。

 思いがけずブームに乗る形となったのが農業協同組合(JA)グループのシンボルマークだ。JとAの文字を意匠化したマークが「腹筋をしている人にしか見えない」と話題に。JA全中の広報担当者は「多くの人に関心を持っていただきありがたい」と喜ぶが、驚きはないという。実はこれまでも見る角度を変えると、土下座やかるた取りをしている人に見えるなどと評判になっていたそうだ。

 マークは、Jの左側の丸が農作物の実りや人の輪、斜線は連なる山々、Aは支える人で「揺るぎない大地と人と人との絆」を表現。担当者は「東京五輪は自宅で、国産の農畜産物を使ったおうちご飯を食べながら応援してほしい」と話している。

■ピクトグラム 単純化した絵や図を使い、見ただけでわかりやすく意味を伝えるマーク。1964(昭和39)年の東京五輪で、世界中から集まる選手や観客に競技や会場施設を示す「共通言語」として導入され、その後、公共施設の案内や国際イベントに使われるなど普及した。今回の東京五輪では全33競技50種類のピクトグラムが作られ、開会式でパントマイムで演じるパフォーマンスが注目を集めた。

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