松山マスターズ制覇、日本ゴルフの歴史に刻む偉業達成の秘密

日本ゴルフ界の悲願であるメジャー制覇を達成した松山英樹(写真は2019年10月)

 この光景は本当に現実だろうか。昨年優勝のダスティン・ジョンソン(米国)からグリーンジャケットを着せられた松山英樹は少し照れたような表情。2017年8月以来4年ぶり6度目の米ツアー優勝は、日本ゴルフの歴史に刻まれる勝利となった。

10年の「蓄積」

 松山が最初にマスターズをテレビで見たのは、タイガー・ウッズ(米国)が優勝した2005年大会。伝説的な16番のチップインバーディーが鮮明に記憶に残っている。東北福祉大時代にローアマになって10年。優勝の誓いを実現させた。

 2017年の全米プロでは、最終日に崩れてメジャー勝利を逃がし、人目をはばからずに涙を流した。最近は勝利に見放されていたが、ビッグタイトルを獲得できた要因は何だったのか。

 まず何と言っても経験だろう。距離がある上に起伏や池が要所にあり、傾斜の強いグリーンが選手を苦しめるオーガスタを攻略するには、高度なマネジメントが要求される。今大会の松山は攻守のバランスが絶妙で、10年間の蓄積で頭脳ゲームを制した。

 今大会のグリーンは初日は硬く超高速だったが、次第に柔らかくなった。松山はこれによく対応した。優勝候補だったコリン・モリカワやダスティン・ジョンソンがコースに苦しみ、ジョーダン・スピース、ジャスティン・トーマス(いずれも米国)も伸ばしきれなかった中で、松山は着実に伸ばした。

コーチ・トレーナーの「導き」

 もう一つ大きかったのは、今年からプロとして初めて目沢秀憲氏(30)がコーチについたことだ。明らかに安定感が増した。

 目沢コーチは1991年生まれ、松山の1歳年上で日大ゴルフ部出身。米国留学後、日本人としては数少ない米国レッスンライセンス(TPI)を取得し、河本結、永峰咲希らをトップ女子プロに押し上げた実績がある。

 目沢コーチが大切にしているのは「自分の理想とするスイングに選手を当てはめない」ということ。河本にも、自分のミスやスイングの崩れ方の傾向を把握させ、それを改善する練習をさせてきた。

 松山も目沢コーチについて、「自分ひとりで何がダメだとか、フィーリングだけでやっていた部分があり、自分が正しいと思いすぎていた。(コーチをつけて)いまは客観的な目をもってもらいながら、正しい方向に進んでいると思っている」と説明している。

 さらにチーム松山には今年から岩井幹雄さんがトレーナーについた。大会を通じて感情がコントロールされ、穏やかな笑顔もみられた。勝てない重圧からも解放されたかのようにのびのびとしたプレーだった。

 コロナ禍で日本人記者が少なかったこともシャイな松山にはよかった。「大勢に囲まれるのは苦手。昨年からコロナになって人数も少なくなっているので、自分的にはちょっと楽になっています」と笑っていた。

 日本女子では、1977年の全米女子プロを制した樋口久子以来、42年ぶりに2019年全英女子オープンで渋野日向子がメジャーを制して話題をさらった。

 1980年全米オープン2位の青木功らが届かなかった日本男子初のメジャー優勝。マスターズには日本勢は1936年に戸田藤一郎と陳清水(台湾出身)が初出場した後、尾崎将司や中嶋常幸、丸山茂樹らが挑んできたが、最高は01年の伊沢利光と09年の片山晋呉の4位。初参戦から85年。日本男子にとっては面目躍如の勝利でもあった。

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