【元病院長のこだわり定年ライフ】八ヶ岳の大自然、目指すはディアハンター?

順天堂大学医学部付属順天堂越谷病院の院長職を2021年3月で退任。定年を迎えた元病院長は、これまでの人生で極めてきた数多くの趣味に、たっぷりの時間をかけて、さらに磨きをかける!

都会の暑さから逃れ、山荘構える

 今回はこの投稿を発信する私の生息地のご紹介をしようと思う。

 ここは八ヶ岳の東山麓(下の写真)、丁度皆さんがよくご存知の蓼科高原の反対側、最寄りの駅は野辺山になる。以前は海ノ口牧場と呼ばれる広大な農場であったが、それをあの西武グループの故堤康次郎氏が買い付け、新たな別荘地として開拓した。彼は秩父まで到達していた鉄道を三国峠を越えて川上村に至り、さらに野辺山まで引っ張ってこの地を軽井沢に匹敵する一大リゾートエリアとして開発することを目論んだようだ。しかし、私にとっては幸いなことにこの計画は頓挫し、ここに豊かな自然が残された。

夕日を背にする八ヶ岳=筆者撮影

 北海道で生まれ育った私は18才以来の東京暮らしではあったが、その熱さにはどうしてもなじめなかった。さらに郷里や米国留学時代に経験した大自然への強い郷愁を抱いていた。そんなことから夏に逃げ出す良いところがあればと思っていたところ、ひょんなことからここに山荘を構えることになった。

 ここは軽井沢のようにショッピングモールや洒落たフランス料理屋やイタ飯屋もない。しかし、主として植林されたカラ松林の景観とは異なる豊かな植生に恵まれた八ヶ岳の自然林がある。植生が非常に豊かだ。さらに美味しい蕎麦屋もある。それで十分、私はその素朴さに惹かれている。

素晴らしい環境で夢の暮らしのはずが、、

 さて、山荘も出来たし充実した別荘ライフを楽しむつもりでいたが、実はそうは行かなかった。仕事が忙しすぎた。週末も仕事が入ることが多く下手したら年に一回、一週間程度しか滞在出来ないことも。そんなことから定年退職を向かえたらここに拠点を移し、この素晴らしい環境と毎日共にあることを夢見てきた。そしてその日のためにいくつかの準備をしてきた。がそれも又ままならぬ事が起こる。ちょっとその話のひとつを御紹介したい。

コオニユリとヒョウモンチョウ=同

 ここに来るようになった頃私はまだ若かった。緑豊かな木々に過囲まれて過ごすのが好きで、とんと当時この地で咲き誇る野草にはほとんど関心が無かった。しかし、周りはご高齢の方が多く、一様に種々の野草を育成することに情熱を注がれていた。他から採取して植えることは禁じられている。従ってそれらを自分の土地に呼び込むことしか出来ない。そのためには植生を変化させる必要がある。

野草を育むため、カラ松伐採を断行

 植物の生育のフェイト(運命)を決めるのは日照だ。日照が良くなければ一部の隠花植物を例外に決して花を咲かせない。そのために、この地で最も邪魔なものは、著しく成長が早く、枝を大きく広げて日照を妨げるカラ松だ。放置するとその下の木や草花は日照の悪さと恐らくテルペン(樹脂などに含まれる精油成分)の影響を受けて駆逐され、笹が生き残るのみとなる。そこで野草を育てようと企む方々は、このカラ松を親の敵のように切りまくる。そして見目麗しい白樺(下の写真)やサラサドウダンだけは残される。

群生する白樺林=同

 私はせっかく自生しているカラ松を切ることを長い間ためらっていたが、回りの方々を観るに付け、やがて将来定年を迎えこの地に定住するようになった時、ひょっとしたら花を愛でる男になっているかも知れないと考えた。そこで平成の植生改革を断行した。

 最初は木を切らずにカウボーイ顔負けに投げ縄でカラ松の枝を捉え、車に繋いで牽引し、太い枝をバキバキ切り落とした。これは案外上手く行った。さらに自生していた笹を刈りまくった。御存知のように地下茎でテリトリーを広げる笹は一度刈ったくらいじゃへこたれない。しかし、3年も続けるとその勢いは急速に衰える。こうして我が家にもいくつかの代表的な野草が花を咲かせるようになった(下の写真)。

ウツボグサとヒョウモンチョウ=同
ヤマホタルブクロ=同

増え放題の鹿が、草花食い尽くす

 がしかしだ、いざこの地での生活を楽しもうと思った直前、異変が起きた。これまでこの地で咲き誇っていた野草がすべからく姿を消した。全くと言って良いほどに。その原因はこの写真の鹿である。約10年程前から異常に増え始めた。前から時々は見かけていたが、今では別荘地内を遠慮無く彷徨っている(写真6)。何しろ超安全地帯だ。こいつが草花を食いつくし、樹齢300年を越えよかというほどのサラサドウダンの皮を食いまくって枯らしてしまう。

別荘地内を徘徊する鹿=同

 そもそも鹿の天敵は狼であったが今では絶滅。ここいらの農家にはかつて一家に一丁「村田銃」もあったかも知れないが、皆高齢化し、今では鹿を撃つ人もいない。増え放題。

 そこで私は考えた。今後の生業はこの鹿と戦うディアハンター。ま、ロバート・デ・ニーロだ、良いじゃないか。

髙崎芳成(たかさき・よしなり) 1950年8月生まれ。順天堂大学医学部卒業。同大博士課程修了。米コロラド州立大学研究員を経て、2005年順天堂大学医学部教授。専門はリウマチ科・膠原病内科。2011年、順天堂大学医学部附属順天堂医院院長、2016年、順天堂大学医学部付属順天堂越谷病院院長。2021年3月に同院長退職。日本内科学会評議員、日本リウマチ学会理事長などを歴任。70歳になり八ヶ岳山麓に拠点を移した。バイク、スポーツカー、ワイン、カメラ、スキーなど多彩な趣味を謳歌し、週2日だけ都内で医師として働く。

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