【さかもと未明画伯のアート超入門 番外編② 】キャバレー再開! 歌に飢えたパリっ子が歓喜

 漫画家にして作家。時には世間を騒がす話題も振りまきつつ、アスペルガー症候群、膠原病など度重なる病を乗り越え、歌手に画家などアーティストとして進化し続ける筆者が「芸術のお手ほどき」という新境地に挑戦します。

 

【番外編①のあらすじ】厳しい入国・帰国の制限がある中で決行したパリへの渡航。PCR検査に自主隔離、帰国してからは追跡され。。コロナ禍の海外渡航がいかに大変だったか。さて、②ではいよいよパリ滞在中のお話です!

入場制限の食料品店に並ぶのがお仕事

 そんなパリではありましたが、普通じゃないパリが体験出来て結構楽しかった!

 私はいつも、芸術新潮の長期取材で仲良くなったパリのシャンソニエ(編注:シャンソンを聴かせるライブハウス)「ラパン・アジル」の主、イヴさんのご家族が三世代で住む三階建ての大きなおうちの一部屋に居候するのですが、主の92歳の歌手のおじいちゃんがまあ元気なんですよ!

パリでいつもお世話になるイヴさん(右)と私

 で、「フランスのおじさん」って感じで面倒見てくれるので、安心していろいろ行動できるのです。その代わり私もイヴさんのお使いなどに駆り出されます。昨年の滞在時に「お前がいて助かる」とといわれたのは、食料品の買い出しの、「入店順番待ちの列に並ぶ」という仕事。

 どのお店に入るのも、(小さな商店では)一回に2~3組までと決まっているので、パン屋さんでもお総菜屋さんでも20~30分とか並びます。「戦争時代の配給ってこんなですか?」と言いたくなる街の中。それでもいくつかの店を回らないとご飯食べれないので、長めの列に私を並ばせ、イヴさんは別の店で買い物をして、私が順番まちしている店に戻り、20分節約、次の店はあそこだから並んどけと、数軒先の列を指さされてダッシュし、ココも15分節約! と言った塩梅。

色とりどりの果物。私の役割は買い出しの列に並ぶことでした

フランス人は大人しく順番待ち

 確かにこういう時は二人以上だと買い物が効率よくていいですね。意外ですが、フランス人は、こういうところ、きちんとしています。順番を守り、辛抱強く待ってます。割り込む人なんていません。自由を重んじて、デモも盛んで権利の主張も当然な分、義務について、厳しく教育されるのだろうと思いました。

 デモに関して言えば、今は「ワクチンパスポートの義務化反対」が巻き起こってます。また、昨年の渡航時はコロナで失業し、路上生活者などが増えたため警官の見回りも増えたのですが、その警官にカメラを向けることを禁止する法案が通りそうになった時のデモがすごかったです。   

 要するに警官にカメラを向けるだけで逮捕されるようになっちゃうと、警官が不当な暴力を使った場合、それを証明できなくなるからなんですね。アメリカやフランスでは、移民も多く、人種差別的な暴行で、警官に殺されたり、けがをする人が結構います。たから、これは当然かなあと思いました。

差別、年金問題、激しいデモも多発!

 でも、日本のラブアンドピースなデモとは質が全く違っていて、本気丸出し! 今回は小競り合いの果て、催涙ガスで道が真っ白になり、大変な騒ぎがテレビに映っていました。

 マクロン大統領の政策に対しても賛否両論で、営業停止などへの反対デモが起きた時や、昨年の年金問題のストライキの時など、マルセイユで放火、パリでもマクロン大統領が好んでランチを食べていたお店が放火されるなど、激しい事この上ないです。デモの時はシャンゼリゼのお店の窓なんかも割られちゃったりしているし、「危ないからパリ中心部には行くな」とみんなに言われました。もう、テレビ見ているだけでリアルに危なさを感じたので、出かけませんでしたが、、。

政権批判も、、目の前に現れた大統領とはツーショット

 でも、この6月は、コロナでの生活に耐える市民をねぎらい、マクロン大統領が路上に出たんですね。その様子がテレビで中継されてるの見ていると、暴徒が出るどころか、みんなが自撮りモードでマクロン氏にツーショットお願いしまくり!  まるでスタアに群がるファンのよう、、、、。
「あんたたち、マクロンが嫌いなのか、好きなのか、どっちなのよ??」と、言いたかったのは私だけではなかったはず。

路上に出たマクロン大統領に群がる若者たちの様子

 「テレビに露出する有名人がいる→まずは自撮りモードで一緒に写りたい」という、「オペラント条件付けされたネズミ」のような多くのパリ市民の行動形態にはかなり笑わせていだたきました。え? わたくしが道でマクロンに逢ったら? そんなの絶対ツーショット頼むに決まってるじゃないですか!!(笑)。 

 人間っておかしいですね。今回のコロナの騒動では、そういう人間の行動様式をきわめてあらわに見ることができた気がします。

布マスクNG。アベノマスクは注意されます

 あと、フランスでは日本と違ってテレビ番組の質が高いので、テレビを視聴する人たちは日本より多い割合なのでは? と、感じます。一日中コロナについてやっているので、マスクも浸透が早かったし、今回も「見ている人は、これはワクチン打とうと思うでしょう」と思いました。私の知り合いのフランス人はみんな「打った、打った」とめっちゃ嬉しそうでした。私と会えば二言目には「ワクチンは打ったのか」と聞いてきますから!

 世界中でマスクがされるようになったとき、日本ではレースなどの「おしゃれ手作りmask」が世の中を席捲しましたが、フランスでは布のマスクとかとしていると、「あなた!! ウイルスカットのマスクで無いとだめよ」と、面倒見のよさそうなおばさまに薬局に連れていかれ、ウイルスカットマスクを買わされてしまいます。だからフランスではアベノマスクは不可。「これ、日本政府に配られたんですう」と言ってもダメです(涙)。

 そういう意味ではフランスでは日本にはなくなった「よいお節介」がまだ健在で、特に私がステイしたモンマルトル界隈は昔な感じで居心地がよかったです。

無駄遣いは厳禁。必要最低限の幸せを享受する堅実さ

 困ったのは、フランス人のケチさ!

 先ず日本人にはヨーロッパの水道水はあわないので、私はエビアンやペリエを買いに行きましたが、「贅沢だ」「水道水で充分」と言われ、「私のお金だし、お腹こわすからいやですー」と何度も説得しないといけなくて大変でした。それから、「トイレットペーパーの減り方が早すぎる。日本人は何でそんなに紙を使うんだ!」と言われ、これも「私が沢山買い足します!」と交渉の末和解!  冷蔵庫にはバターとチーズと、その日に食べるものしか入れてないし、シャワーの水はちょろちょろしか出ないし、つくづくフランスの堅実さが身に沁みます。

 あと、私は髪が長いので、「排水管が詰まる! ちゃんと毎回掃除しなさい!」「ベッドメイクは毎日しなさい」と、寄宿生のように指導されて怒られ放題。なんか学生に戻ったみたいで新鮮でした!!

居候のお部屋は掃除をきっちりしないと怒られる

 でもイヴさんの息子夫妻のご様子を見ていても、フランス人が食品以外のものを買いに行くのを見たことがありません。彼らは生活に必要最低限の物しか買わないし、買い物に費やす時間があれば、楽しくおしゃべりしたり、互いの面倒を見合っているという感じです。イヴさんの家は三世代同居なので、一階のイヴさんのいるリビングを必ず学校帰りのお孫さんが通ってキスしたリ挨拶していきますし、わたしにもかーわいいお孫さんが挨拶してくれます。そんなのが本当にうれしく、「お金ってそんなに要らないなあ」と本当に思っちゃう。

 彼らがお財布開くのって、ランチと食品と、トイレットペーパーと、、あとは、パーキングメーターの支払いとかそんなもん。コンビニに毎日行って、冷蔵庫で食べないまま残してしまう余分なお弁当や、シールをためてもらう景品の為に無駄なパンを買ったりとか、小さなお金を「レジャーとして」使う日本での生活態度を見直すいい機会になると思いました。

街づくりのこだわりは日本も学ぶべき

 ただし、散歩して楽しい街をつくるため、自分の家でもお店でも、壁の塗り替えとか外壁の修繕とかしょっちゅうしていて、だから街がきれいなんだと思うし、その辺の出費が多いから、細かいお金を使わないんだと思います。日本もここは見習ってほしい。街づくりに対するこだわりは、大いにフランスに学びたいですね!

優秀なドライバーのディディエさん

 さて、イヴさんは年齢もあってモンマルトルの外にはいかないので、待機期間が明けた後パリ中心部に行き「クルーズしたい、ギャラリーにも行くし、エッフェルも登っちゃう! と思っていた私は、いつも運転を頼むディディエさんに連絡。彼は元タクシー運転手なので、最高のドライバーさんです。

自由の裏には責任、税金も高いけど楽しそう

 いつも彼と街を移動していてビックリするのは、パリのパーキングメーターの出来の良さ!  何時から何時と時間を決めて正確に無駄なく課金されるパーキング専用のクレジットカードをみんな持っているし、停めるとき車のナンバーとかもちゃんと入れるんですね、これは事故が起こりにくくなるし、まさに自由の裏にある責任の重さだなあと感じました。

パリは路上のパーキングメーターをほとんどのドライバーが利用しています

 あと、町を「ベロ」という、電動の車輪がついたスケートボードみたいなかわいい乗り物が走っているのですが、これも、市民パスがあれば自由に乗って乗り捨てていい優れた交通手段です、ちょっと危なくも見えるけど、楽しそうで、いつか乗ってみたい。

  こういう福祉面は本当に充実していて、フランスでは学費も医療費も無料なので、税金が高いけどみんな得しているという感覚。ああ、だから自由に使えるお金はみんなもってないんですね。、でも、それでもみんな楽しそうに暮らしています!

IDカードは必携。公共トイレ使用にも

 さて、今回(6月上旬~中旬)は、観光も解禁って聞いていたのでクルーズしにセーヌ河岸に向かったのですが、まだ私が滞在していたときは、遊覧船もエッフェル塔もみんな閉まっていて(編注:6月下旬から7月にかけて、各施設が再開)、暑すぎるセーヌ河岸を歩いて、日射病になりかけただけでした!

 夏のパリで長い散歩などをするときは、トイレも行きたくなりますが、パーキングメーターに使った、クレジット機能付きのIDカードがないと使えなかったりします。もちろんカフェに入りお金を払えば使えますが、公共のトイレはIDカードのあるパリ市民向け。だから、フランスの人と一緒に歩くと何かと助かることを学びました! たぶん難民の問題や、時々おこる犯罪防止のために徹底的に考えられています。

 こういうデジタルな部分の進み具合は半端なく、悪いことするとすぐにつかまっちゃうけど、違反さえしなければ受ける恩恵の方が大きいので、みんなこれを受け入れているんだと思いました。てことは、私も帰国後持たされたGPSやビデオ認証で怒っている場合じゃないのかも。時代はそういう方に確実に流れていますもんね。

浴衣姿に「トレジョリー!」

 さて、パリの人は日向ぼっこが好きで、「セーヌ河岸を延々歩くのがサイコー」と思っていますから、、セーヌ河岸を歩くとき、太陽さんさんの白い砂の遊歩道を行こうとします。サービスのつもりでね(笑)。でも、日光に弱い人は「ソンブル」と言ってください! ソンブル(Sombre}は「日陰」の事。そうすると、脇に大抵マロニエの並木があり、そこは気温が5度は違うでしょうというくらい涼しく、楽ちん。てくてく歩いていくのも楽しい。しかし、白い砂が続く太陽さんさんの河岸は、照り返しが強くて危険です! ご注意を!

浴衣で歩くと注目の的でした

 さて、待機が済んでイヴさんとレストランに行くこともでき、浴衣を着て出かければ、道行く人に『トレジョリー(超かわいい)』と言われて写真を撮られたりしていい気分。やっぱり海外では和服は最強ですね! 冬は振袖をトランクに詰めていきます!

久しぶりのショーに感動。私も歌いました!

 さて、ロックダウンも段階的に解除となり、いよいよモンマルトルのキャバレー、ラパン・アジルもドアオープンとなりました! 日本と同じくアクリル板を入れ、空気清浄器も入れて頑張っています。でも、正直観光客が減っているので、コロナ禍前には混む時にすし詰めだった店が閑散、、、、。最初のオープンの日は、歌手とお客さんの数が同じくらいでした。しかもお店の大木が枯れてしまって、今はちっちゃな若木が植わっているだけで、ちょっぴり寂しい。

老舗のシャンソニエ「ラパン・アジル」は、かつて玄関の大木がトレードマークだったのですが、、
現在は、その大木が枯れ、可愛らしい木に。でも深い趣はそのままです

 でも、長く歌に飢えていた観客の皆さんは、久しぶりのショーに感動して、最後はスタンディングオベーション! 熱い、素晴らしいコンサートでした! まだ規制があり、22時前に閉店でしたが、、私も歌わせていだたき、本当よい記念に、、、、。動画も載せるので是非ご覧ください!  2年前に初めて歌った時よりは、大きく進歩した気がします!

ラパン・アジルで再開したコンサート。お客さんはまだ少ないけど演者は熱い!
素晴らしい歌声にうっとり

以上でてんこ盛りの前半レポート終了

★★ラパン・アジルでは私も飛び入りで歌わせてもらいました! → 動画はこちら★★ 

後半もさらに楽しいレポートになりますから、どうぞ楽しみに!

漫画家となって、アニメと合体したPV「Night in Tunisiaも作りました。ぜひ見てください★チャンネル登録もよろしく!

こちらもアニメと実写のMIXです。アニメ監督として今はとても有名になった高嶋友也との作品です!

終わらない自分探し感が出てるかな? PV「Charade」 楽しんでください!!

「Night in Tunisia」は、最新アルバム「MOULIN ROUGE」に入ってます。購入はこちら!

 ■さかもと未明(さかもと・みめい) アーティスト。1965年横浜生まれ。神奈川県立厚木高校卒。玉川大学英文科卒業後、商社勤務を経て漫画家に。その後、評論活動やテレビ出演も多くコメンテーターとしても活躍、歌手デビューも果たす。2007年に膠原病と診断され、発達障害だったことも明らかに。画家としても本格的な活動を開始した。

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