【山口えりこの美味しいもの倶楽部】都立大学・イタリアン「笠井」

飲食トレンドリサーチャー山口えりこが「美味しいもの」をキーワードに、コロナ禍でも安心して楽しく飲食ができるお店をご紹介します。

美味しい料理が楽しめる大人のイタリアン「笠井」(目黒・八雲/都立大学)

 東急東横線 都立大学駅から徒歩12分。「食事前の散歩」と言い聞かせて、閑静な住宅街の遊歩道を景色を見ながら歩くと12分が意外と早く感じます。お店の外観はとてもシンプルで、入口の脇に木目に墨字のシックな表札がついています。

 オーナーシェフの笠井篤さんは品川港南エリア随一のイタリアン「アロマクラシコ」を経て料理修行のために渡伊。帰国後は横浜の超人気本格イタリアン「カンブーザ」や代官山の星付きイタリアンで超予約困難店の「TACUBO(タクボ)」を経て、2019年12月に独立開業しました。

 イタリアンをメインにしつつも、枠にとらわれず中華や和食、フレンチの手法を取り入れながら、その食材の魅力を一番生かせる料理をテーマに、旬の素材を活かした料理をコースでいただけるお店として、開業以来のコロナ禍にもかかわらずその名を轟かせている実力派の人気店です。

 席はカウンター9席のみ。カウンターの奥行きがしっかりとられているのでカウンターというより、1人で全ての料理を作り上げるシェフの手際の良さを見ながら食事ができる大きなテーブルに座っているような感じです。加えて、明るくて知識豊富なシェフとの会話が全ての席で楽しめる、というところも人気のポイントです。

 営業中は、大きなパーテーションが設置されています。空間にゆとりを持って設置されているため、圧迫感はなく、隣のお客さまとの距離もしっかり確保されています。パーテーションのみですと気流が滞る心配がありますが、目の前がすぐキッチンのため、キッチンのダクト換気と店内空調換気の二重の換気がされており、安心して食事を楽しむことができます。

 「笠井」にはアラカルトメニューはなく、コースのみが用意されています。実際、メニューにカタカナで料理名を書かれていても、お店でアレンジをしていたり、前出のように、イタリアの地方により呼び名が変わっていたりする場合もあるので、コースで予約ができるのはむしろありがたいですね。聞いたことがない料理でもシェフのおすすめだと安心して食べられます。

 自家製揚げパン(ニョッコフリット)とパルマの生ハム。ニョッコフリットとは、イタリア・モデナの揚げパンのこと。笠井シェフは料理を提供する際に「揚げパン」としか言っていなかったので、その場で聞いたところ、実は同じ揚げパンがイタリアの地方により様々な名前で呼ばれているのでわかりやすく「揚げパン」にしたとのことでした。なるほど…。

 ニョッコ・フリット(モデナ)、クレシェンティーネ(ボローニャ)、ピンツィーノ(フェッラーラ)、キソリーニ(ピアツェンツァ)、トルタ・フリッタ(エミリア、パルマ)…

 「そしたら、揚げパンも生ハムもパルムで統一して『パルムの自家製トルタ・フリッタと生ハム』でもいいのでは?」ー。なんてどうでもいいことを考えながら、時折シェフとも会話を交えつつ、テキパキと運ばれてくるコース料理を食べ進めていきます。

 千葉県バターナッツかぼちゃのスープ。上にはくるみのオイル。胡桃オイルの香りと胡椒がいいアクセント。

 気仙沼のカツオカルパッチョと万願寺とうがらし。サマートリュフをたっぷりかけて。サマートリュフがたっぷりかけられているため、カツオと万願寺とうがらしが見えません。サマートリュフの香りが口いっぱいに広がります。カツオも新鮮で美味しい!

 岐阜県・長良川の天然鮎の素揚げ。カリッとあがった香ばしい鮎。ルッコラと生ハムと鉄板の組み合わせもバランスが良いです。

 2019年のオープンからずっと愛され続けている自家製フォカッチャ。オリーブオイルをたっぷり吸った焼き立てです。表面はカリッ、中はもちもち。オリーブオイルがじゅわ~。これが驚くほど美味しい。提供時にシェフの言う「これ、熱いですよ」はネタでも脅かしでもなく本当に熱いので、どうかすぐには触らないようにしてください。

 こちらは「自家製トロフィエとモン・サン・ミシェルのムール貝、ブロッコリの自家製ジェノベーゼソース、からすみ」。あまり聞きなれないこの「トロフィエ」とは、水と小麦粉を手でこすり合わせて作るもちもち食感のショートパスタ。イタリア北西部リグーリア州の海岸の街で生まれたパスタです。バジルたっぷりのジェノベーゼペーストにトロフィエとジャガイモ、いんげんを合わせて食べるのがジェノヴァ地方の伝統的な食べ方なんだとか。

 メインは牛と羊とを選べますが、今回は羊をお願いしました。とても柔らかくて肉自体の旨味が強い。脂の甘さにも驚かされます。コース料理を締めるのは、冷えたスズ製の器に盛り付けられた自家製の濃厚ミルクジェラート。コーヒーをいただいてコース終了です。心もお腹も大満足な2時間半でした。一皿の量が多すぎないのも、良いですね。

 帰りは、都立大学駅まで徒歩またはタクシーで行くも良いですし、21時台までは、お店の目の前にあるバス停からバスに乗ることができますので、終点の渋谷駅まで行くのもおすすめです。

 イタリアに料理修行されていた笠井シェフ。さすが、パスタに関する知識量は半端なかったです。星付きイタリアン「TACUBO(タクボ)」ではパスタを担当していたとのこと。コロナ禍でずっとデリバリーやコンビニのご飯を食べ続けている友人たちに胸を張って教えてあげたい。「美味しいパスタを食べたいならここに来たらいいよー!」と。密にならないし換気もすごいよ!と。そして本稿を読んでいるみなさんにも自信を持っておすすめできる素敵なお店です。コロナ禍でお店選びに困っている方に届きますようにー。

「笠井」の店舗情報

●予約:https://ggrc500.gorp.jp

●電話:050-5456-7124

●営業時間:火~金:ランチ:なし、ディナー:17:00~23:30(L.O.23:00)、土・日:ランチ 12:00〜15:00、ディナー:17:00~22:00(L.O.21:00)  

●定休日:水曜日

●住所:東京都目黒区八雲3-6-22 1F

*本記事に掲載している店舗データは、2021年9月5日時点の情報です。最新情報につきましては上記公式H Pをご確認ください。


■山口えりこ(やまぐち・えりこ) 
飲食トレンドリサーチャー、レストランプロデューサー 。外食企業にて店舗運営や経営企画、広報戦略室長を歴任。Parisと東京を中心に「お客様が楽しく安心して過ごせる空間」「体と環境に良いもの」をテーマに活動中。アプリ”clubhouse”で飲食店と生産者に会いに行く体験型クラブ「美味しいもの倶楽部☆東京」を運営中。テレビ東京「TVチャンピオン極ーラーメン王決定戦ー」女性史上初のセミファイナリスト。
Twitter:https://twitter.com/EcoLone1 
Instagram :https://www.instagram.com/esprit.e
clubhouse:山口えりこ

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